ローマ教皇フランシスコは2日、バチカン(ローマ教皇庁)で行った一般謁見で、9月4日(金)を「レバノンのための祈りと断食の日」とし、8月4日に首都ベイルートで発生した大規模爆発の被害に苦しむレバノンのために、諸宗教の指導者や信者と共に心を合わせて祈り断食するよう呼び掛けた。バチカン公営のバチカン・ニュース(日本語版)が同日伝えた。
バチカン・ニュースによると、教皇はこの日、レバノン出身の司祭と共に同国の国旗を広げながら連帯を表明。「100年以上もの間、レバノンは希望の国でした」と同国の歴史をたたえ、再興に向けた励ましの言葉を贈った。
今回の爆発では、180人以上が死亡、6千人以上が負傷し、推定30万人が一瞬にして住居を失った。自国の経済危機や新型コロナウイルスの急速な感染拡大、シリア難民の受け入れなど、同国がすでに抱えていた問題をさらに悪化させている。
教皇は同日、自身の寄り添う心と連帯を伝えるため、レバノンにバチカン国務省長官のピエトロ・パロリン枢機卿を派遣することを明らかにした。さらに、ツイッター(英語)でも9月4日の祈りに言及し、カトリック信者だけでなくすべての善意の人々に向け、あらためて祈りへの参加を呼び掛けた。