レバノンの首都ベイルートで発生した大規模爆発の被災者支援のため、米北東部マサチューセッツ州の教会の青年たちが、洗車により7千ドル(約74万円)を超える支援金を集めた。
被災者支援のために動いたのは、ボストン聖ジョージ正教会の青年たち。土曜日の22日に、車1台につき10ドル(約千円)で、数百台の車の洗車と車内清掃を行った。多くのドライバーが10ドルをはるかに超える金額を寄付してくれ、7千ドルを超える支援金を集めることができた。さらに、教会のウェブサイトに設置した募金ページ(英語)を通しても寄付が集まり続けているという。
同教会のティモシー・J・ファーガソン神父によると、同教会の信徒は約6割がレバノンからの移民で、今回の爆発により直接的な影響を受けた人が多くいる。「彼らは何かをして手を差し伸べたいと考えました。この取り組みは、教会の10代の若者たちの自発的な行動によるものです」
今月4日にベイルートで発生した爆発では、180人以上が死亡し、6千人以上が負傷した。爆発は、倉庫に保管されていた数百トンの硝酸アンモニウムに引火して起こったとされているが、正確な原因については調査が進められている。
この悲劇の後、レバノンのハッサン・ディアブ首相は10日、国民向けのテレビ演説で内閣総辞職を表明。爆発は同国の長年にわたる「腐敗」によるものだと批判した。
レバノンに対しては、キリスト教国際NGO「ワールド・ビジョン」を含め、多くの教会や団体が支援に乗り出している。ワールド・ビジョン・レバノンの現地責任者であるラミ・シャンマ氏は、レバノンでは物理的な支援に加え、精神的なケアが必要だと訴えている。