俳優やテレビ番組のナレーターとして活躍し、国内最高齢の声優として親しまれていた久米明(くめ・あきら)さんが23日未明、心不全のため東京都内の高齢者施設で死去した。96歳だった。音楽プロデューサーの久米大作さんは次男で、大作さんの妻で教会音楽家として活動している久米小百合さんは義娘に当たる。
NHKが家族の話として伝えたところによると、90歳を過ぎても活動を続けてきたが、体調がすぐれないことから昨年、長年務めてきたNHKのバラエティー番組「鶴瓶の家族に乾杯」のナレーターを降板。東京都内の高齢者施設に入居した後も、「いつでも復帰する」と意気込んでいたという。
1924年、東京生まれ。東京商科大学(現・一橋大学)卒業。劇作家の木下順二や女優の山本安英と共に劇団「ぶどうの会」を結成。舞台俳優として歩むが、演劇以外にも活動を広げ、テレビドラマや映画に多数出演。日本テレビの海外ドキュメンタリー番組「すばらしい世界旅行」や、NHKの「鶴瓶の家族に乾杯」で長くナレーターを務めた。1992年に紫綬褒章、97年に旭日小綬章受章。元日本大学芸術学部教授。