ローマ教皇フランシスコは、22日の「お告げの祈り」(アンジェラスの祈り)で、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に一致して対応するため、25日正午(日本時間同日午後8時)に、全世界のクリスチャンが一斉に「主の祈り」をささげるよう呼び掛けた。さらに27日午後6時(同28日午前2時)には、通常は復活祭とクリスマスの年2回しか行わない使徒的祝福「ウルビ・エト・オルビ(ローマと世全界へ)」を伴った祈りを導くという。バチカン・ニュース(英語)などが伝えた。
ライブ配信されたこの日の「お告げの祈り」で、教皇は「(新型コロナウイルスの)パンデミック(世界的大流行)の脅威におびえるこの困難な日々に、すべてのクリスチャンに対し、天に向かって共に声を上げるよう呼び掛けたい」と語った。「諸教会の代表者、またすべてのキリスト教共同体の指導者、そして、さまざまな教派のすべてのクリスチャンが、全能の神に切に求め、われらの主イエスが教えてくださった祈りを同時に唱えるのです」。教皇はそう言い、1日に数回主の祈りを唱えるとともに、特に25日正午(日本時間同日午後8時)には、全世界で一斉に主の祈りをささげることを呼び掛けた。
3月25日は、カトリック教会ではマリアの受胎告知(神のお告げ)を祝う祭日。教皇は受胎告知を祝う特別な日であることにも言及し、「復活されたキリストの勝利を祝うために準備している主のすべての弟子たちによる一致した祈りを、主が聞いてくださいますように」と願った。
さらに27日は、感染防止のためサンピエトロ広場に人は入れないものの、サンピエトロ大聖堂前で「ウルビ・エト・オルビ」を行い、その模様を配信するという。教皇は「メディアを通して霊的に参加してください」と呼び掛けた。
そして、新型コロナウイルスのパンデミックに対しては、「祈りと慈しみ、優しさの普遍性」をもって対応すべきだと強調。「一致を保ちましょう。最も孤独で疲れている人々に私たちの思いを寄せましょう」と呼び掛けるとともに、現場で対応に当たっている医療従事者や政治指導者、警官、兵士らにも思いを寄せるよう求めた。