新型コロナウイルスによる被害が拡大しているイタリア北部で、カトリックの司祭少なくとも28人が19日までに、ウイルス感染により死亡した。亡くなった司祭の半数以上は80歳を超えており、最も若い司祭は54歳だった。カトリック系のCNA通信(英語)が同日伝えた。
同通信によると、イタリア・カトリック司教協議会が発行するアベニーレ紙は、新型コロナウイルスの感染が拡大して以降、同国北部で司祭30人が亡くなったと伝えた。このうち、少なくとも28人は新型コロナウイルスの感染が原因。残り2人のうち1人は、ウイルス検査を受ける前に肺炎により死亡し、もう1人は重い持病を患っていたという。
亡くなった司祭は、3人以外は全員が70歳以上で、半数以上が80歳を超えていた。ミラノの北東約40キロに位置するベルガモ教区では、司祭11人が亡くなったほか、別の司祭15人が入院したという。ローマ教皇フランシスコは18日、多数の犠牲者が出ている同教区に対し励ましのメッセージを送った。
その他、司祭の死者が出ているのは、パルマ、ピアチェンツァ・ボッビオ、クレモナ、ミラノ、ローディ、ブレシア、モンフェラート、トルトナの各教区。このうち、パルマ教区では6人、ピアチェンツァ・ボッビオ教区では3人が亡くなった。
イタリアでは現在、結婚式や葬儀も含め、公開の宗教儀式は禁止されており、亡くなった司祭の葬儀は関係者のみで行われた。
イタリアでは20日までに、新型コロナウイルスの感染者は4万7021人となり、死者は1日で過去最多となる627人が増え、4032人となった。前日19日には、死者の数が中国を上回り、世界で最も犠牲者が出ている国となっている。