新型コロナウイルスの感染拡大を受け、公開ミサを原則中止しているカトリック東京大司教区の菊地功大司教は9日、同教区の信徒らに向けてメッセージを発表した。菊地大司教は、「普段のように皆が主日に集まることができなくても、洗礼を受けた一人一人は主イエスの体の一部としてつながっていることを思い起こしてください。私たちはそれぞれの場で祈りをささげるとしても、その祈りは個人的な祈りではなく、教会共同体の祈りとしてささげられています」と励まし、「祈り続けましょう」と述べた。
菊地大司教は、「この困難な時期にあって、私たちは祈りの力をあらためて認識したい」とし、ヤコブの手紙5章16節「正しい人の祈りは、大きな力があり、効果をもたらします」を引用して祈りの力を強調。「病気がまん延したからといって、私たちは祈りを止めることはありません。感染に対応するさまざまな手段を講じる中には、私たちの霊的な戦いをも含めていなければ、この世界に私たちが教会として存在する意味がありません」と祈りを呼び掛けた。
公開ミサの中止については、「お一人お一人のこれまでの信仰生活の体験に基づいた、さまざまな思いが交錯していることと推察いたします」とした上で、「こういったときだからこそ、私たちがキリスト者として、主イエスの体における一致へと招かれていることをあらためて思い起こし、一人で祈っているときであっても、それが目に見えない形であったとしても、私たちは常に主イエスの体である一つの共同体に結ばれているのだという信仰における確信を深めていただくことを期待しています」と述べた。
菊地大司教は、「私たちはこの信仰を一人で生きているのではありません。目に見えないきずなのうちに、ともに道を歩みながら、信仰を生きているのです」と述べ、「困難に直面しているいまこそ、兄弟姉妹としての互いの信頼を深め、支え合ってすべてのいのちを守ってまいりましょう」と呼び掛けた。
続報:菊地大司教は10日、14日までとしていた公開ミサの原則中止を15日以降も継続すると発表した。発表では、15日から29日までは、東京教区のすべての信徒を対象に、主日のミサにあずかる義務を免除するとし、30日以降の対応は、23日以降にあらためて告知するとしている。