庭野平和財団は3日までに、コロンビアの人権擁護活動家であるエリサベット・モレーノ・バルコ氏らを、第3回庭野平和賞奨励賞の受賞者として選出したと発表した。モレーノ氏はカトリック信徒で、2023年には国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が主催するナンセン難民賞(南北アメリカ地域)を受賞している。
長年の内戦で苦しむコロンビア西部チョコ県出身のモレーノ氏は、自身も避難民当事者。コロンビアでは2016年、政府と左派ゲリラ「コロンビア革命軍」(FARC)の間で和平合意が結ばれたが、チョコ県では今も内戦が続き、多くの武装組織が活動している。
そのような中、モレーノ氏は平和の実現に向けた活動を行い、「チョコ連帯民族間フォーラム」(FISCH)のコーディネーターなどの立場で、政府・武装組織間の交渉や避難民支援に貢献。22年には国連安全保障理事会で演説し、現在は政府の和平遂行機関である「コロンビア民族特別高等機関」(IEANPE)にも参加している。
FISCHは地元のカトリック教区や国連、その他の人権団体とも緊密に協力している。モレーノ氏をよく知るカトリックのシスターは、「人々の権利のための交渉の会合で、男たちを含む誰もが怖がってものを言わなかったとき、チャバ(モレーノ氏の愛称)だけが、一人席を立ち上がって力強く発言したのです」と話し、評価している。
庭野平和賞奨励賞は、宗教的精神を基盤とした平和活動・研究を通して地域の具体的課題に取り組み、人々の幸福と平和構築のための先駆的・萌芽的・実験的な活動に功績を上げた個人・団体を表彰するもの。キリスト教徒の受賞者も多い庭野平和賞を主催する庭野平和財団が、2022年に新設した。
第3回の受賞者には、モレーノ氏の他に、タイの人権擁護のための弁護士組織である「ムスリム弁護士センター」が選ばれた。