アジアを中心にカトリック関連のニュースを配信しているUCAN通信(UCA News=The Union of Catholic Asian News、本部・香港)のドメイン(ucanews.com)が乗っ取られたことが、23日までに分かった。同通信によると、元従業員が名前の似た別法人をタイで設立し、ドメインを不法に奪取したという。同通信は現在、新しいドメイン(ucanews.org)にサイトを移行しており、すでにドメインの回復などを目指して、法的手続きを始めたとしている。
UCAN通信は、香港で登記された法人「Union of Catholic Asian News Limited」により運営されている。一方、元従業員はタイの首都バンコクで別法人「UCANEWS Company Limited」を設立し、同通信が保有していたドメイン(ucanews.com)を不法に取得したという。23日午後5時現在、同ドメインにアクセスすると、バンコクの法人が運営する「UCA.NEWS」(ドメインも uca.news)という名称のサイトに転送される。
UCAN通信発行人のウィリアム・J・グリム神父(メリノール宣教会)は、「この状況が、正確で最新のニュース、特集記事、論評を提供していくというUCAN通信の使命、またその能力に影響を与えることはありません」と強調。グリム神父は日本のカトリック新聞で編集長を務めた経験もあり、ドメインの乗っ取りとそれに伴う新ドメインへの移行は、日本のカトリック中央協議会のホームページでも告知されている。
一方、バンコクの法人が運営する「UCA.NEWS」は、サイトの紹介ページ(英語)で、タイ・カトリック司教協議会の支持と承認を得た上で運営を行っていると説明。同法人は、バンコク大司教区のカトリック広報室の下部組織として設立されたとしている。