【CJC】バチカン(ローマ教皇庁)のグレッグ・バーク(ブルグ)広報局長(信徒、米国籍)とパロマ・ガルシア・オベヘロ副局長(信徒、スペイン国籍)が1日、辞任した。
バーク局長、ガルシア副局長は2016年の任命当初、広報局を率いる「信徒の職業ジャーナリスト」として歓迎された。ガルシア氏は女性最初の副局長。2人とも聖職者と男性の存在が圧倒的なバチカンで関心を集めていた。
広報局を統括している「広報のための部署」のパオロ・ルフィーニ長官は18年7月に任命されたばかり。広報局正副責任者の突然の辞任は予想外だった可能性がある。今回の決断には「学ぶことがあった」し、辞任は「自由で自主的な選択」だとして、「敬意を払うしかない」と同長官は述べている。
ローマ教皇フランシスコは、アレッサンドロ・ギソッティ氏を広報局暫定局長に任命した。同氏は「広報のための部署」に向けて活動するメディアの代表を勤めてきた。
今回の異動理由は明らかにされていないが、バーク氏は「新たな人事を教皇が自由に行うために、これが最善と思う」と述べている。
教皇が個人的に親しかったイタリア人のアンドレア・トルニエッリ氏を「広報のための部署」で職務を定めないまま重要な地位に就けた2週間後の辞任発表も、その間の事情をうかがわせる。
トルニエッリ氏は、ニュース・ウエブサイト「バチカン・インサイダー」を運営していたことがあり、現在はバチカンが発信するメディアの編集方針調整に当たっている。
教皇は、着座以来6年近く、バチカンのコミュニケーション構造の改革を優先的に進めている。15年6月に「広報のための部署」を設立、バチカンのさまざまなメディアを統括する権限を与えた。