河野太郎外相は23日午後(日本時間24日未明)、バチカン(ローマ教皇庁)を訪問し、国務省外務局長(外相)のポール・リチャード・ギャラガー大司教と会談した。河野氏は、ローマ教皇フランシスコが来年訪日する意向を表明したことを歓迎するとともに、その実現のために日本政府として協力を惜しまない考えを伝えた。両氏はさらに、教皇の訪日実現に向けた協議を行うとともに、両国の大使館などを通じて引き続き緊密に協力しながら準備を進めていくことを確認した。
外務省によると、会談は約40分にわたって行われた。昨年1月に訪日したギャラガー氏は、その際の歓迎について感謝を述べるとともに、国際社会における日本の役割を高く評価。両氏は、北朝鮮やその他の地域情勢について意見交換し、両国が引き続き緊密に連携していくことを確認した。
河野氏は会談後、ローマで臨時会見を開き、教皇訪日の具体的な日程について尋ねられると、「これから時期その他についてはしっかり調整をしていきたい」と回答。「教皇に訪日の強い希望があるということで、日本でお迎えをしたい、歓迎したいということは申し上げた」と述べた。
ギャラガー氏との会談前には、バチカン国務省長官のピエトロ・パロリン枢機卿を表敬訪問。教皇の訪日意向表明を歓迎するとともに、日本・バチカン関係の歴史や日本におけるカトリック教会の活動について意見交換を行った。
教皇は9月、バチカンで天正遣欧使節顕彰会(宮崎市)の関係者らと面会した際、来年にも訪日したいとする意向を表明。これまでも訪日を希望する発言は度々していたが、時期について言及したのはこれが初めてだった。実現すれば、1981年2月に先々代の故ヨハネ・パウロ2世以来、38年ぶり2回目の教皇訪日となる。
河野氏のバチカン訪問は、ローマで開かれた「第4回地中海対話」(イタリア外務省など主催)への出席に伴うもの。日本の外相が出席するのは初めてで、河野氏は中東・北アフリカ地域の安定に向けた日本の政策・貢献などについて語った。
河野氏は滞在中、イタリアのジュゼッペ・コンテ首相を表敬訪問したほか、イタリアやイラン、ロシア、パレスチナ、マルタの各外相、アラブ連盟のアフマド・アブルゲイト事務総長らとも会談した。