鎌倉街道を歩きながら伝道する「2019鎌倉街道ウォーク・ウィズ・ジーザス(Walk with Jesus=WWJ)」が2日、始まった。神奈川県鎌倉市から群馬県高崎市までの約160キロを7日間かけて歩き、トラクトを配ったり、沿道の教会で集会を開いたりするなどして、福音を伝える。
朝9時前、JR鎌倉駅前には、明るい緑色のTシャツを着た人たちが集まっていた。WWJの参加者たちだ。Tシャツにあしらわれた歩く人の姿と十字架は、WWJのマーク。9時になると、近隣教会に場所を移し、屋外で短い聖書のメッセージとミーティング。そして、配布用のトラクトを用意し準備体操も。早速、鎌倉街道の起点となる鶴岡八幡宮前に移動し、伝道をスタートした。
WWJが始まったのは2009年。日本のプロテスタント宣教150周年の年だった。「あの頃、日本を愛し、福音を伝えるため日本にまで来てくださった宣教師たちは、一体どんなスピリットを持っていたのだろうか」。そう思いを馳せながら、記念行事として日本縦断伝道を考えていた姫井雅夫氏(総動員伝道代表)に、宣教師の息子として日本で生まれ育ち、自身も宣教師として奉仕するジョナサン・ベネディクト氏が、長年考えていた「東海道を歩いて伝道する」というアイデアを伝えたのがきっかけだった。
「ただ歴史的な道を歩くのではなく、宣教のため、イエスの愛を伝えるために歩く」。そうした思いで、第1回の09年は、約490キロに及ぶ東海道を4週間かけて歩いた。その後も継続を望む声があり、中山街道(10~11年、530キロ)、北陸・北国街道(12~13年、460キロ)、日光・奥州街道(14~16年、550キロ)、甲州街道(17年、210キロ)、青梅街道(18年、50キロ)と歩き続け、10周年となった昨年までで総距離は2250キロ、途中訪問した教会は200を超える。
WWJのテーマ聖句は、マタイの福音書9章35~38節。「イエスは、すべての町や村を巡って、会堂で教え、御国の福音を宣(の)べ伝え」(35節)とあるように、日本各地を巡りながら福音を伝え、また現地の教会とも交流の機会を持つことで、「収穫のための働き手」(38節)が各地で起こされるよう祈ってきた。
第1回から毎年参加しているという男性は、「ある所では、おじいさんやおばあさんと話し込んで、お茶をもらったり。話せばきりがないくらい出会いがありました」と話す。「時間ができたので、少しでも奉仕できればと思って」と話すのは、今春退職したばかりの男性。今年が初参加だという。昨年初めて参加し、今年が2回目という男性は、「歩きながら違う教派の人たちと話すこともでき、自分の信仰の成長のためにもなります」と言う。
今年初参加の女性は、以前からWWJのことは知っていたが、仕事の都合などがあり、これまで参加したことはなかった。しかし、今年は自身の信仰歴が40年を迎える節目であることから、有給休暇を取り、満を持して参加。WWJのために、毎朝ウォーキングの練習も重ねてきたという。
途中訪れる教会では、賛美を歌ったり、教会の祈祷課題のために祈ったりする30分程度の集会を持つ。ベネディクト氏は、暑い中歩いて伝道する参加者をねぎらおうと、訪れる一つ一つの教会でさまざまなもてなしを経験してきたとし、「どの教会へ行っても、イエス様の愛を感じます」と語る。
ベネディクト氏と共に11年間、WWJを続けてきた姫井氏は次のように話す。
「いつどこで、どのように芽が出て実を結ぶのか、私たちには分かりません。でも、それは分からないとしても、『君たちは、福音の種をまいたのか』と主に尋ねられるとき、その責任は私たちクリスチャンにあります。種が実を結ぶかどうかは、主に委ねる以外に他ありませんが、種をまくという務めの幾分かは担わせていただきたいと思っています」
今年は複数種類のトラクト5千枚を用意しており、これらが、参加者一人一人が道行く人に投げ掛ける笑顔と共に福音の「種」となる。
2019鎌倉街道WWJの期間は、土日の7日と8日を除く、2日から10日まで。参加者は各日の最後に訪れる教会で宿泊し、翌日は早天祈祷会の後、朝7時から歩き始める。詳しくは、WWJのフェイスブックを。