イースター(復活祭)の4月21日に連続爆破テロが起こったスリランカ西部のコロンボとネゴンボのカトリック教会で12日、テロ後初めてとなるミサが行われた。同国で最も大きな教会の一つであるコロンボの聖ルシア大聖堂では、厳重な警備の下、テロで家族を失った遺族を含め多くの人々がミサに参加した。
英ガーディアン紙(英語)によると、ミサの参加者は全員が身体検査を受け、カバンの持ち込みも禁止された。また、教会外の道路にはバリケードが敷かれ、兵士が警備に当たるなどした。
ミサに参加したジョシュア・バーニー君(8)は、人が多すぎたためミサを途中で退席した。バーニー君は、爆発のあったコロンボの聖アンソニー教会で、おじとおば、3人のいとこを亡くしており、いとこのうち一人は大親友だった。バーニー君の母親は同紙に「彼の遺体はまだ見つかっていません。だから本当につらい。息子もつらい思いです」と語った。
一連の連続爆破テロでは、キリスト教会3軒と外資系の高級ホテル3軒が主な標的となった。250人以上が亡くなり、500人近くが負傷。過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出したが、スリランカ警察は、現地のイスラム過激派組織「ナショナル・タウヒード・ジャマア」(NTJ)による犯行と見て関係者を逮捕。AFP通信によると、警察は7日までに、事件に関わったすべての過激派戦闘員を殺害、または逮捕したという。
一方、ロイター通信によると、テロ発生後、スリランカ国内ではイスラム教徒を狙った襲撃事件が相次いでいる。12日には、キリスト教徒が多い西岸の町で、フェイスブック上の口論がきっかけとなり、モスク(イスラム教礼拝所)やイスラム教徒が経営する店舗が襲撃される事件が起きた。そのためスリランカ政府は13日、全土に夜間外出禁止令を出し、フェイスブックなどのSNSやメッセージアプリの利用を一時的に禁止する措置を発表した。