“異教の神崇拝”&“偶像礼拝”という間違った信仰によって織られた「呪いの衣」は、1枚、また1枚と私を覆っていきました。その衣の重さは病の重さに比例、巨大筋腫(約30センチ、6・5キロ)の壊死は進行し、本来の筋腫組織と違う物体へと、どんどん変性していきました(後の検査で判明)。
それに伴って、月経過多による貧血症は、輸血寸前になるまで悪化。腫瘍の肥大化の影響で、歩行困難になるほど痛めた左足は、後遺症でむくみやすく、紫色に変色したまま。加えて、バセドウ病治療に利き手骨折。そんな状態の中にあってもなお、「せめて声の仕事だけでもできたら」と、声優のプロダクションに登録した途端、慢性化していた副鼻腔炎が悪化。鼻呼吸が困難になるほど右の鼻は完全に塞がり(後にポリープが見つかる)、きれいな発声もできなくなって、わずかな希望も閉ざされました。
周囲から、強く“子宮全摘出手術”を勧める声が高まっていきました。もちろん、「私を心配してのこと」と分かっていても、X教に洗脳されている自分には、“責められている”、“自己否定されている”としか受け止められず、ますます意固地になっていきました。「墓がいじられて力が弱っているときに手術なんか受けたら、失敗して死ぬかも」という恐れで縛られている私の「手術=死刑」という思いなど、理解してもらえるはずもありません。
駅の連絡通路で久々に会った先輩に、「手術しなきゃ死ぬよ!!子どももいるのに何やってんの!!」と、通行人が振り向くほど大声で叱られたときは、ショックが大き過ぎて、すぐさま私と同様、巨大筋腫を持ちながらも手術を拒否し続けていたX教の人たちに嘆きを吐き出し、慰めてもらったこともありました。そうやって、何か周囲から言われる度、Ⅹ教へ逃げ込んでは、自分を必死で正当化していたのです。私の中にあった“プライド”に、悪霊が作用していたのだと思います。
クリスチャンになって、「レビヤタンは、プライドに影響する」と学びました。レビヤタンといえば、聖書の中で “竜”と表現している箇所が幾つかありますが、「竜は神の使いで縁起が良い」と説いていたⅩに洗脳されていた私は、完全にコントロール下にいたのでしょう。
満身創痍のつらい状態を必死で隠そうと元気に振る舞っていましたが、それも限界が来ていました。「早くこの苦しみから逃れたい!幸せになりたい!なぜ、私ばかりこんな酷い目に?!」と、我が人生を呪いました。とはいうものの、結局はすべて自分が選択した人生でした。イエス様に背を向け、否定していた私は、闇を光と欺かれる“魔術”にかけられたままでした。そうやって、地獄の暗闇へと落ちていく一方であったとき、ある出来事が起きました。
それは、Xで友達だった女性Dさんの死でした。Dさんは、数十年間重い病に苦しんでいました。完治不能と言われ続けた病が原因で、何度も命の危機に陥り、その度にX教祖Y氏に助けられ、就職ができたり、無理と言われた子宝にも恵まれ、すっかりX教の崇拝者となっていました。彼女の数々の奇跡は、X教の代表的な証しの一つとなって、信者たちの信仰をより強固なものにしていったのです。
しかし、真実の神から与えられた奇跡でなかったため、奇跡の度に体調はどんどん悪化、仕事も失い、離婚も経験しました。子どもと実家に戻り、Xに通いながら療養していました。「Xを信じている!」と言いながらも、心のどこかで恐れがあったのか、薬の服用と定期検診は受けていました。そのことを快く思わない熱烈信者の人たちから、「Y先生からあれだけ特別に波動を入れてもらい、お墓参りにまで付き合ってもらっているのに、なぜ薬をやめられないのか?なぜ病院に行くのか?・・・不信仰だ!」と批判を受けることもありました。
そして、ついに悲劇は起きたのです。いよいよ体調が優れないDさんが、Y氏と一緒に先祖の墓参に行き、波動をもらって別れた後、容態が急変!病院に担ぎ込まれたのです。体が弱っていたDさんは、点滴の針から感染症を起こし、化膿した上、意識不明の重体に。 医師から足切断の宣告を受け、 慌てた家族がY氏に連絡、かろうじて足切断の危機は免れたのですが、Dさんを待っていたのは、熱心な信者たちからの痛烈なバッシングでした。
Y氏に心配をかけまいと、病院に行くことを告げなかっただけなのに、「恩知らずで不信仰!余計な面倒をかけて!!」と責め立てたそうです。その場に私はいませんでしたが、伝え聞いた話がすべて事実だとしたら、その人たちは「言葉」という暴力で、弱っていた彼女を何度も激しく打ったことになります。
その後しばらくして、彼女は亡くなりました。自分をののしった人たちに恨みごと一つ言わず、「私のいけないところを叱ってくださった。だから、感謝している」・・・私が聞いた、Dさん最後の言葉でした。バッシングした人たちを裁く気持ちはありません。その人たちも、自分を見失い、闇の力にコントロールされていただけだと思っているからです。
Dさんの通夜の日。私は生理のピーク日で、最高に体のきつい日でしたが、彼女を見送るため、頑張って出向きました。そして、帰宅後。メイクを落とそうと、洗面所の鏡に映った自分の顔を見た瞬間、ゾッとしました。はっきりと「死」を見たのです!それは、貧血で青白い、というだけのものではありませんでした。焦って家中の鏡に自分を映しました。どの鏡にも「死」の影が、私の顔を覆っているのを感じました。その時、今まで感じたことのない恐怖に襲われました。「私、もうすぐ、死ぬ」・・・心の中で繰り返しつぶやきました。
危機一髪!と、その時でした。1本の電話が・・・。「佐伯ちゃん、久しぶり~!元気?」。現在所属の「主イエスの恵み教会」牧師マルセまゆみ先生だったのです!ここから、イエス様による「佐伯玲子救済計画」が本格的に開始されるのです。
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