第3回日本ゴスペル音楽祭(日本ゴスペル音楽協会主催)が13日、日本基督教団東京山手教会(東京都渋谷区)で開かれた。1次審査を通過した、学生から社会人まで幅広い年齢層からなる9つのクワイアが、日頃から練習を重ねてきた自慢のパフォーマンスを披露した。後半は、テレビ出演など多方面で活躍するゴスペルグループ「The Voices of Japan」(VOJA)と「THE SOULMATICS」が圧巻のステージを披露し、超満員となった約550人の観客を魅了した。
日本ゴスペル音楽祭は、日本におけるゴスペル音楽の普及と技術の向上を目的に、日本ゴスペル音楽協会が毎年開いている。同協会によると、国内のゴスペル人口は多いものの、クワイア同士が交流したり、パフォーマンスの質を競い合ったりするような機会は、これまであまりなかったという。昨年から始まったコンペティッションは、エントリーするクワイアが増え、前回以上の盛り上がりを見せた。
歌唱力はもちろん、リズムに合わせたパワフルなパフォーマンスでどのクワイアも観客を圧倒するハイレベルな戦いを制したのは、東京スクールオブミュージック&ダンス専門学校の在校生たちによるクワイア「TSMゴスペルアンサンブル」。審査員特別賞のアトリエヨシノ賞には、東京都葛飾区内を拠点に活動している平均年齢67歳の「Yumi's Choir」が選ばれた。
同協会理事長のジョシュア佐佐木氏は、「日本のゴスペル音楽を、本質的な部分と技術的な部分のバランスを保ちながら世界水準に押し上げていくためにコンペティションを開催しています。勝ち負けの世界ではなく、互いに切磋琢磨しながら、ゴスペルのさらに豊かな世界をみんなで体験していただきたいと願っています」と話した。
今年の審査員は、同協会常務理事で第3回日本ゴスペル音楽祭担当の池末信氏、日本ポラロイドや日本ビクターの社長を歴任した音楽プロデューサーの伊藤裕太氏、ソニー・カルチャーエンタテインメントやスタイリングライフ・ホールディングスの社長を歴任した畑享(はた・とおる)氏、音楽出版社ジュンアンドケイ社長の小澤賢太郎氏、同協会会長を務めた故亀渕友香氏マネージャーの岡井しのぶ氏、鍵盤奏者で音楽監督の佐藤真吾氏、徳間ジャパンコミュニケーションズ前社長の篠木雅博氏、「きずなプロジェクト」をプロデュースする「えすぷらん」代表の杉本理恵子氏、仙台ゴスペルフェスティバル実行委員長で牧師の永井信義氏、VOJAリーダーの増村エミコ氏が務めた。
日本ゴスペル音楽協会は、ゴスペル音楽を通して健全な精神と豊かな心を育み、日本の文化水準のさらなる向上を目指すことと、日本のゴスペル音楽を世界へ発信する拠点を創造することを目的に活動している。詳しくは、同協会のホームページ。