現在、米横断ツアー真っ最中の2人組ロックンフォークバンド「サルーキ=」。米国でのツアーは今回で4回目だそうだが、参加者の人数に関係なく、大きな会場でも小さなホームグループでも、神様の愛と歌声を届けてくれる気さくさと謙遜さが素晴らしい。元気に跳び跳ねるように歌い演奏する姿でおなじみの2人だが、ボーカリストの千代延(ちよのぶ)大介さんはツアー前に腰を痛めてしまい、このツアー自体がかなりチャレンジだったようだ。途中マッサージを受けたり、車いすで移動したりしながら、米国各地を巡っている。
ニュージャージ州で開かれたホームコンサートでは、千代延さんの妻でゴスペルシンガーの神山みささんも加わり、喜びあふれる素晴らしい証しと歌を届けてくれた。連日公演が続く忙しいツアースケジュールの合間を縫ってインタビューに応えてくれた。
千代延さんは2000年に、後に妻となる神山さんと東京のライブハウスで出会い、それがきっかけでクリスチャンになった経緯を持つ。千代延さんの目には、成功を目指して全国各地から人々が集まる東京のライブハウスのような場所は、素朴で自然体な神山さんには不似合いな場所のように見えた。彼女が持つどこか平安な雰囲気に不思議と引かれたという。千代延さんにとって、生まれて初めて出会ったクリスチャンが神山さんだったのだ。その後、千代延さんは神山さんに誘われて教会に足を運ぶようになり、いろいろな葛藤もあったが、03年に洗礼を受けた。その救いの証しについては、昨年7月に行った本紙のインタビューで詳しく話してくれている。
一方、千代延さんの洗礼式にも立ち会ったという相方の森モーリー剛さんは、「それから12年も待たせてしまった」と言う。森さんがクリスチャンになったのは、3年前の2015年。千代延さんが洗礼を受けてからは、教会主催のコンサートにも呼ばれるようになり、それに同行することもあったが、一緒に公演するのはまったく嫌ではなかったし、それはそれで楽しかったという。しかし、自分も同じ信仰を持つ必要は感じなかったと話す。
07年にプライベートで非常に傷ついていたときに、千代延さんから伝道ツアーに誘われて参加した。1日中みんなでイエス・キリストの話ばかりをしたが、それでも嫌気がさすことはなく、非常に楽しかったという。
教会に行って説教を聞き「素晴らしい」と思うこともあった。だが、教会から一歩外に出ると、説教の話も忘れて神様から離れてしまうことを繰り返していた。「クリスチャンのバンド」として教会に行くと、たまに気まずい思いをすることもあったが、それでもあまり気にはしなかったそうだ。
ところがその後、結婚したが、子どもが与えられない期間が6年も続き、焦りもあって夫婦で精神的な壁にぶち当たる。そしてやっと「教会へ行って神様に祈ろう!」と思い立ち、初めて夫婦で近所の教会へ行くことになる。教会に行き、夫婦で祈り始めてから1カ月ほどして、妻の妊娠が判明。生まれて初めて祈りが答えられる体験をした。その後、子どもは無事に生まれたが、当時は経済的に苦しい時期で、アパートの家賃の支払いが厳しかったそうだ。そこで再び神様に祈ると、今度は家賃が3分の1の市営住宅に入居できる道が開かれた。
祈りを通して、神様の優しさと憐(あわれ)みを体験し、洗礼を受けようと決心した。しかしその時、妻はまだ迷っていた。「聖霊だけが彼女の心を動かしてくださる」と信頼して祈っていると、森さんの洗礼直前に、それまで決断しかねていた妻自身も学びの中で導かれ洗礼を受けると決心し、夫婦2人そろって洗礼を受けるという恵みにあずかった。
森さんの洗礼のかげには、長年連れ添ってきた千代延さんの祈りもあった。
2012年に渋谷公会堂で2千人のワンマンライブを成功させた後、2人は翌年、ブラジルへ遠征に行く。この20年余りで参加者が100万人にも膨れ上がったという「マーチ・フォー・ジーザス」というイベントに参加するためだった。千代延さんは「この遠征に行くことを決心したのは、メンバー(森さん)の救いを願ってのことが大きかった」と言う。バンドの全財産をつぎ込んでの遠征だったが、「マーチ・フォー・ジーザス」の最終ステージに立った2人は、32万人の大観衆を前に4曲も歌うという機会を得た。
「大勢の前に出ても不思議と緊張しませんでした。みんなに歓迎されて、受け入れられ、ただ神様に導かれていると感じました。あれはまさに神様の御業としか思えませんでした」
この経験はサルーキ=のその後の活動にも影響を与えた。そしてそれから2年後、千代延さんの祈りが聞かれ、森さんが夫婦そろって洗礼を受けることとなる。神様は着々と救いの計画を進められていたのだ。
昨年夏には、7枚目となるアルバム「天国へのロックンロール」を発売した。8枚目のアルバムの予定を尋ねると、「僕たちには何かをしなければならない、ということがないので未定ですね」と気負うことなく言う。ある大きなコンサート会場で2回のライブを成功裏に終えた後、3回目の依頼もあったが、自分たちの心に響く導きを感じられず断ったこともあるそうだ。
「まず神様との関係を大切にしたいと思いました。それから、自分たちが何かをやり遂げたということに喜びを覚えるよりも、目の前の一人の人の人生が、自分たちの音楽をきっかけに変わることを見る方が喜びとなったからです。
イエス様の救いを喜びつつ、イエス様の証人として音楽を通してそれを伝えていくことの方が今は有意義に思えます。肩書は必要ないんです。今は万民祭司の時代で、みんなが自分の役割を果たす時。自分は音楽を通してその役割を果たすことに集中し、気が付いたら主に用いられていたというのが一番良い形なんです」
さらりとそう話す千代延さんは、あくまで自然体だ。「頂点を目指したい」「名声を得たい」。そんな人たちが集まるエンターテインメントの世界では、このような考えで曲を作り、歌う人たちは少ないのかもしれない。しかし、気負わず飾らないサルーキ=の2人の中には、どんな時代にも流されない、神様に愛されている自信と強さ、そして愛と平安がある。行く所どこでもその輝きを放ってほしいと祈らずにはいられない。
今月初めからテキサス、ニューヨーク、ニュージャージーと東海岸の各州を巡ったサルーキ=は16日、ロサンゼルスへ向けて旅立った。この後は、カルフォルニア州の各地を巡る西海岸での公演が23日まで続く。
最後にアルバム「天国へのロックンロール」から Get Ready の歌詞を紹介したい。この歌詞が、聞く人一人一人の心に永遠に残ることを願う。
先行き不透明な時代
ますます人々は明日を心配し
災害 事故 戦争 不安は尽きず
このままじゃ恐れに心が支配されるかもけれども一番大切なこと
それは永遠の世界への
備えをしながら今を生きることさ
Wow wow…
People get ready天国への Rock’n Roll
オレは死んでも生きる信仰によって
立派になんかならなくていい
ただその人が背負ってくれた十字架の上できらびやかに光るそんな世界も
一歩入れば虚しさといつも隣り合わせ
本当の幸せ どこにあるのか
あいつはいつも夢中で探してたけれども一番大切なこと
それは心のベクトルを
自分以外のものに向け生きること
Wow wow…
Just turn your life天国への Rock’n Roll
オレは感謝して生きる今日という日を
立派になんてなれなくていい
ただその人が背負ってくれた十字架の上で
その愛により生きる生きる
Wow wow… 生きる生きる生きる生きる
Wow wow… Get ready
Wow wow…
■ サルーキ=のオフィシャルサイト
■ サルーキ=のオフィシャルネットショップ(CD・各種アイテム販売中)
■ 米横断ツアーの今後の予定
◯10月18日(木)午後7時〜
Anchor Southbay Church
24100 Narbonne Ave #103 Lemonade Stand, Lomita, CA 90717
◯10月19日(金)午前11時〜
Menifee Hills Bible Church
33220 Sweetwater Canyon Rd, Menifee, CA 92584
◯10月19日(金)午後7時半〜
Azusa Pacific University(MMED6教室内)
901 E Alosta Ave., Azusa, CA 91702
◯10月20日(土)賛美集会に参加予定
※場所、時間未定
○10月21日(日)午前11時〜
West Los Angeles United Methodist Church
1913 Purdue Ave., Los Angeles, CA 90025
◯10月21(日)午後2時〜
FAITH United Methodist Church
2155W 182nd St., Torrance, CA 90504
◯10月21日(日)午後7時〜
Hirasawa's House
26071 Talega Ave., Laguna Hills, CA 92653
※ いずれも入場・参加無料(席上自由献金がある場合あり)