【CJC】バチカン(ローマ教皇庁)の有能な外交官として知られた、前ワシントン大司教のセオドア・マカリック枢機卿(88)が7月27日、枢機卿会議からの辞任を要請した。
バチカンは28日の声明で、「ローマ教皇フランシスコはマカリック枢機卿の辞任を受け入れ、同枢機卿に対して行われた告発が正規の審問により調査されるまで、祈りとざんげの生活のために、自宅にとどまる義務とともにどのような公的な宣教活動をも停止することを命じた」と発表した。
枢機卿会議からの辞任は、1927年にルイス・ビヨ神父が辞任して以来のこと。
マカリック枢機卿は、2001年から06年までワシントン大司教として、教会の中で性的虐待から若者を保護することを目的とした方針を作ることに貢献した。
今回の辞任は、47年前にティーンエイジャーを性的に虐待したという証拠を発見した裁判所の審判を受けてのもの。同枢機卿は次のように弁明している。
「数カ月前、ニューヨーク大司教のティモシー・ドーラン枢機卿から、約50年前にティーンエイジャーへ性的虐待をしたとの主張が私に対して行われている、と通知された。当時、私はニューヨーク大司教区の聖職者だった」
「通知にショックを受ける一方、私の無実を主張した。大司教区審問委員会に付されることは必須と考え、その間の措置に協力した」
「バチカンの決定を受け入れ、どのような公的な宣教活動も行わない。私は性的虐待の記憶が全然ない」
デズモンド・ロッシ神父(オルバニー教区)は、自分がマカリック枢機卿の犠牲者の1人だったとして、枢機卿が辞任したことで安心したと述べた。