【CJC】バチカン(ローマ教皇庁)のダリオ・ビガノ広報事務局長が19日、前教皇ベネディクト16世の私信書簡を公の場で読み上げた責任を取って辞表を提出、教皇は21日付で受理した。後任として、アンドリアン・ルイス・ルシオ次官を暫定的に長官とする人事を発表した。ビガノ事務局長には、今後も事務局の顧問を務めるよう求めたという。
書簡は、現教皇フランシスコの学識を批判する声に対し、前教皇が「愚かな偏見」を一蹴する、との内容で私信として書かれたもの。
ビガノ事務局長は12日、教皇フランシスコが神学について記した11冊の書籍シリーズに関する発表会場で、この書簡の一部を読み上げた。
広報事務局は2015年6月、教皇フランシスコがメディア改革のために新設したバチカンでは最大規模の機関。600人を超える職員が勤務している。ビガノ長官はバチカンのメディア改革の総責任者だった。
ビガノ事務局長は、前教皇ベネディクト16世の信頼を裏切り、書簡を出版の販売促進に利用したと批判する内部関係者もいる。