【CJC】バチカン(ローマ教皇庁)教理省は、「キリスト教的救い」に関する幾つかの観点をめぐり、司教たちに宛て文書を発表した。
「プラクイト・デオ」と題されたこの文書は、「キリスト教的救いの幾つかの観点をめぐる、カトリック教会の司教への書簡」。バチカン放送(日本語電子版)によると、教理省長官ルイス・フランシスコ・ラダリア・フェレール大司教は1日、書簡発表に当たり、その目的を「信仰の偉大な伝統に沿いながら、教皇フランシスコの教えに言及しつつ、今日の文化的変容のために理解が難しいと思われる、キリスト教的救いの幾つかの観点を明らかにすること」だと述べた。
文書は、イエスを唯一普遍の救い主と宣言するキリスト教信仰を曖昧にさせる文化的変化として、教皇フランシスコもこれまで指摘してきた、いわば「ネオ・ペラギウス主義」「ネオ・グノーシス主義」とも呼べる2つの傾向を挙げている。
「ネオ・ペラギウス主義」というべき傾向は、急進的に自立した個人を生み、自分の存在がその奥深いところで神や他人に依存しているということを認めずに、自分自身を自分だけで救えると考えさせる。一方、「ネオ・グノーシス主義」といえる傾向は、自分の中に閉じこもった、純粋に内的な救いだけを求めさせるという。