バチカン(ローマ教皇庁)で15日、列聖式が行われ、16世紀に殉教したメキシコ先住民の少年3人や、17世紀にブラジルで殉教した宣教師や信徒ら、合わせて35人が聖人として宣言された。ロイター通信(英語)によると、メキシコ先住民の少年3人は、アメリカ大陸における最初の殉教者だという。
列聖された少年殉教者は、クリストバル、アントニオ、ホアンの3人。フランシスコ会の宣教師によってキリスト教に改宗した。しかし、部族の長だった父親から棄教を迫られたクリストバルは、1527年に火に投げ込まれ、13歳で殉教した。また、当時12、13歳だったアントニオとホアンは、ドミニコ会の宣教師の手助けをしていたが、1529年に先住民のインディオによって殺害された。
ブラジルで1645年に殉教したポルトガル人宣教師2人と信徒28人は、カトリック教会に対する迫害が激しかった時期に、オランダの植民地兵により殺害された。他にも多くのカトリック信徒が殉教したが、名前が確認できた30人だけが列聖された。
殉教者ではない神父2人も列聖された。1人は、半世紀余りにわたってスペイン各地で教育の奉仕に携わったファウステイノ・ミゲス神父(1831〜1925、エスコラピオス修道会)。もう1人は、南イタリア各地で霊的指導者として精力的に奉仕したアンジェロ・ダクリ神父(1669〜1739、カプチン・フランシスコ修道会)。
バチカン放送(英語)によると、列聖式はバチカンのサンピエトロ広場で行われ、約3万5千人が参加した。式を執り行った教皇フランシスコは、「彼らは、愛することに、安易に『はい』と言ったのではありません。自らの命を懸け、まさに最期に至るまで『はい』と言ったのです」と語った。