「何歳になっても、人は変わることができる。自らの体験を通して、このことを伝えていきたい」。そう話すのは高橋まどかさん(日野キリスト教会会員)。東京都八王子市で活躍しているファイナンシャルプランナーで、相続診断士でもある。ゴスペルを通して神様に出会い、喜びに満ちた日々を送っている高橋さんに話を聞いた。
「もともと私は音楽が大好きで、音楽に囲まれた生活の中、ブラックミュージックもよく聴いていました。ところが、離婚を境にしばらくの間、音楽が聴けなくなってしまったのです。それでも、周りに支えられながら少しずつ元気を取り戻し、また音楽を聴き始めるようになりました。ちょうどその頃、会社の前に貼ってあったヤマハ音楽教室のゴスペルクラスの生徒募集ポスターを見て、私も歌ってみたいと思ったのです」
ゴスペルはキリスト教と切っても切り離せない音楽だが、髙橋さんは最初、歌詞の意味とは切り離して音楽だけを楽しんでいた。それが変わったのは、ゴスペル教室に通い始めて5年後のこと。「東京ブラザータイスケ・ゴスペルクワイア」で、今は牧師となったRev.taisukeさんの賛美を間近で聴き、これまでにない気持ちを感じたという。
「ゴスペルは、歌っていると心が満たされるし、自由になるのですが、その時は、『何だろう、この幸せ感って・・・』という感じでした。その後、いろいろなゴスペルのコンサートを聴きに行き、福生にある黒人教会にも行くようになりました。そこでは礼拝前の賛美がゴスペルなんです。その賛美を聴いて、神様に触れられたと思いました。涙があふれ、ゴスペルを通して神様の言葉が入ってきたのです」
それはゴスペルに出会って7年目のことだった。それから2年後の2009年、日野キリスト教会で洗礼を受けた。高橋さんが大切にしている御言葉は、「天の下では、何事にも定まった時期があり、すべての営みには時がある」だ(伝道者3:1、新改訳)。これは、洗礼を受ける前、体調を崩して通っていた病院でクリスチャン医師から教えられた言葉だという。
「ゴスペルを歌い始めた時は、子どもの不登校の問題などもあって、心身ともにすごく大変な時期でした。実はその頃も『教会に行ってみようかな』と思っていたのですが、礼拝は日曜日ということで、結局行けなかった。そんなふうに自分の都合を優先していた時も、神様は私を見捨てず、いつも側にいてくださいました。一番いい時にご自身と出会わせてくださったと、本当に感謝しています」
今、仕事で忙しい中でも日曜礼拝が守れるのは、「神様が備えてくださるから」と高橋さん。礼拝だけでなく、土曜日の午前中には賛美チームの練習もあるため、それを優先してスケジュール帳を埋めていくという。お客様から「日曜日の午前中に面談希望」と言われる場合もあるが、できる限り調整して礼拝の時間を守っている。
「一緒に働いている仲間も、毎年のゴスペルコンサートに足を運んでくれるし、業者の人も聴きに来てくださることもあります。ゴスペルの働きや教会に行くことは、今の仕事だからこそできると思っています。私は仕事が大好きです。その仕事で皆さんのお役に立てることは、本当に感謝なことです。賛美をしていることが幸せなので、落ち込んだ時でも教会に行って賛美をし、生きるエネルギーをいただいている。このことをもっとみんなに知ってもらいたい」
数年前からは相続問題にも関わるようになり、今は相続診断士の資格を生かして、相談だけでなく、講演会やセミナー、執筆など、幅広く活躍している。
「ファイナンシャルプランナーの仕事の中には相続もあるのですが、去年の冬に教会のシニアイベントとして『相続の話をしてほしい』という依頼があり、改めて勉強を始めたのです。すると、そのイベント開催に合わせるかのように次々と相続の勉強会やセミナーが開かれ、そこに参加し、イベントに備えることできました。神様は何かさせる時には必ず困らないようにしてくださる方だと思いました。そして、今の自分だからこそできる仕事を与えてくださると確信しました。ここでも、神様は『時』をきちんと備えてくださいました」
この「神様の時」について、高橋さんはさらに続ける。
「今はつらいけれども、神様の時があるから絶対大丈夫と、御言葉に励まされてきました。また、『いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい。これが、キリスト・イエスにあって神があなたがたに望んでおられることです』(Ⅰテサロニケ5:16~18、同)という御言葉からも勇気を与えられ、賛美しています。ゴスペルを賛美することで、多くの仲間に恵まれ、励まし合うことができて、本当に素晴らしいです」
高橋さんには大きなビジョンがある。
「相続と保険に強いフィナンシャルプランナーとして、もう少し前に進みたい。私が持っている相続診断士という資格は、相続をきっかけに家族が崩壊するような『争族』にならず、『笑顔相続』となるよう、士業(弁護士など)の方々と連携してお手伝いをすることです。今もセミナーを開いたりしていますが、今後はさらにこの仕事について知ってもらい、活動を広げていきたいと思っています」