【CJC】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が教皇フランシスコに親書を送り、その中で「南北間の和解への仲介」を要請した。文氏はバチカン(ローマ教皇庁)への特使として、金喜中(キム・ヒジュン)光州大司教と成稔(ソン・ヨム)元バチカン大使を派遣。2人は5月20日にローマ入りした。
2人は24日、水曜日恒例の一般接見の場で文氏の親書を手渡した。バチカンの日刊紙「オッセルバトーレ・ロマノ」が翌25日付で報じた。
金氏は26日、バチカンの外交責任者で、教皇に意見を伝える立場にあるピエトロ・パロリン国務省長官と会い、「韓国と北韓(北朝鮮)の和解のために教皇に力を貸していただきたい」と依頼したことを、韓国の通信社「聯合ニュース」に明らかにした。
聯合ニュースによると、金氏は、具体的には「教皇が米国とキューバーの和解を仲介した形を考えている」と述べたという。「教皇庁について、武器も軍人も持たない単なる宗教国家だと考えがちだ。しかし教皇庁は世界の利害関係に絡んでいないうえ、中立的であるため、その外交の力は私たちの想像を上回る」と金氏は述べており、南北和解と韓半島(朝鮮半島)の平和に教皇庁が重要な役割を果たすことに大きな期待を示した。
金氏が手渡した親書は、教皇が2014年に韓国を訪れてくれたことに感謝の意を示すとともに、南北の平和と和解のための新政権の努力が身を結ぶことができるよう祈りと支持を求める内容となっている。教皇は自らも親書を送ることを約束したという。
韓国大統領府関係者は23日、「文大統領の親書に南北首脳会談との表現はない。確実に否定する」と明らかにした。同関係者は「具体的には確認していないが、親書には『朝鮮半島の平和に対する教皇の関心に感謝する。今後も関心を寄せてほしい』程度の表現が含まれているとみられる」と説明。また、「(国際社会の)対北朝鮮制裁という大事な局面を迎えている今は南北首脳会談の話をする段階ではない」とし、「北朝鮮が先に(朝鮮半島の非核化に対する)誠意を見せ、対北朝鮮制裁が解除されなければ対話はできないという韓国政府の基本的立場に変わりはなく、教皇に渡す親書には韓国政府の基本的立場と異なる表現はない」と強調した。韓国メディア「ヘラルド経済」が報じている。