韓国と北朝鮮のキリスト者によるイースター(復活祭)の共同の祈りが、世界教会協議会(WCC)の公式サイト(英語)などで公開された。
この祈りは、韓国の韓国キリスト教教会協議会(NCCK)と北朝鮮の朝鮮キリスト教連盟(KCF)が協力して用意したという。キリストの復活を喜ぶ一方、約70年に及ぶ南北分断の悲しみも表現。「平和の神よ、私たちが統一の夢を実現するために一致した精神で共に働くことができるように助けてください」「私たちが調和と平和の世界により良く生きるために、かつて南北朝鮮が1つであった日々を思い出すことができるように助けてください」と、韓国と北朝鮮の統一のために祈っている。
アメリカ合衆国長老教会=PC(USA)の宣教師として、韓国の長老派の私立大学である韓南(ハンナン)大学で青年を対象とした働きをする一方、NCCK和解・統一委員会でも働くカート・エスリンガー氏は、「私たちは、皆さんがこの祈りを知人と分かち合い、イースター礼拝の中の適当なところで用いることをお勧めします」とコメント。この祈りが、復活と平和のために祈ることにおいて、諸教会に役立つものとなることを望んでいると語った。
以下は、本サイトによる共同祈祷文の和訳。
2017年イースター南北共同の祈り
主よ、あなたは死を打ち破り、よみがえられました。この季節に、私たちは復活の喜びを思い起こします。この春に新緑の生命力を通して生命の驚異を示してくださることを感謝致します。
そうです、主よ!この世界はあなたの御目に美しく創造されました。あなたはまた、あなたに対して罪を犯した者たちを救うために、独り子イエスをお遣わしになりました。主よ、あなたは私たちに神の子としてどのように生きるべきかをお示しになりました。そしてあなたの御霊は命を通してばかりでなく、歴史を通しても私たちをお導きになっておられます。
しかし主よ、南北分断の時以来、70年続く民族分断の悲しみはまだ残っています。私たちは「神と1つになること」の希望を失い、平和の代わりに、地上の所有を求めてしまいました。
主よ、私たちを憐(あわ)れんでください。分断の痛みに満ちた記憶を、そしてさびで覆われた有刺鉄線も消し去ってください。南北朝鮮が調和と平和の生活を実現できるように助けてください。新しい地を耕し、新しい命を植え付けるために農夫が自らを備えるように、主よ、私たちを備えてください。
主よ、私たちがお互いを優しく抱擁することができるように、まず、私たちの固く閉ざされた心を開くことができるように助けてください。私たちに寛容、愛、奉仕の種をまかせてください。そしてあなたの祝福をもって、この地が豊かな実を結びますように。
そして私たちの民を喜びと調和に満ちた命で祝福してください。命の神よ、この冷酷な死のような現実を打ち破るために南北の教会を助けてください。
平和の神よ、私たちが統一の夢を実現するために一致した精神で共に働くことができるように助けてください。私たちが調和と平和の世界により良く生きるために、かつて南北朝鮮が1つであった日々を思い出すことができるように助けてください。
命の神よ、春の訪れを待つ復活のこの季節に、私たちが冷たい不毛の地に芽生える新しい命の希望を見ることができるように助けてください。
正義の神よ、あなたの栄光が現れようとしているこの地に、正義の川を流れさせてください。私たちのためのあなたのご計画を明らかにしてください。
死を打ち破って、よみがえられたお方、イエスの御名において、アーメン。