国際基督教大学(ICU)平和研究所主催の憲法シンポジウム「『自民党憲法改正草案』の多角的検討―日本の憲法政治の行方―」が25日(火)午後3時10分から5時40分まで、同大学本館315教室で開催される。
「本年7月10日に行われた参院選において、政権担当党の自民党と公明党が、それぞれ改選議席を増やした。自民党は56議席で前回よりも6議席増となり、また公明党も14議席で前回よりも5議席増となった」と、同研究所はこのシンポジウムの開催趣旨の中でその背景について述べている。「その結果、参院総議席における改憲勢力は自公両党におおさか維新とこころの二党を合わせ、さらに諸派と無所属の改憲派議員を加えると165議席となり、改憲勢力は『三分の二』(162議席)を超え、国会全体でも憲法改正を国民投票で問うことのできる『三分の二』以上の議席を確保したことになる」
「いよいよ、日本の政治は、いわゆる『憲法政治』―国政の基本法・統治構造・基本政策の是非を国民的規模で根本的に見直し審議し決定しようとする非常時型(百年に一度あるかないかの)政治―のピークとなる季節を迎えている。こうした折、2012年4月に提出された『自民党憲法改正草案』がますます注目されるようになった。本シンポジウムでは、わが国の憲法学をリードしてこられた研究者の皆様をお招きし、多角的な観点からこの『草案』を検討し吟味するシンポジウムの開催を計画した」と、同研究所は説明している。
シンポジウムでは、同研究所所長の笹尾敏明氏によるあいさつの後、第1部として、山内敏弘氏(一橋大学名誉教授)が「天皇を戴く軍事国家か、個人を尊重する平和国家か」、志田陽子氏(武蔵野美術大学教授)が「歴史と向き合う憲法か、歴史から逃げる憲法か:統治構造と人権の両面で生じる基盤の変質」と題して、それぞれ基調講演を行う。
その後の歌唱と休憩に続いて、第2部では、千葉眞氏(国際基督教大学特任教授)の司会により、山内氏と志田氏、松平徳仁氏(神奈川大学教授)、稲正樹氏(平和研究所顧問、前国際基督教大学教授)によるパネルディスカッションやフロアとの意見交換が行われる。
同大学への交通は、JR中央線武蔵境駅南口から小田急バス「国際基督教大学」行終点下車(乗車時間約12分)、または小田急バス「狛江営業所」行、「狛江駅北口」行または「吉祥寺駅」行乗車「富士重工前」下車(約10分)、徒歩10分。
JR中央線三鷹駅南口からは小田急バス「国際基督教大学」行終点下車(約20分)、あるいは小田急バス「武蔵小金井駅」行または「調布駅北口(西野御塔坂下経由)」行乗車「富士重工前」下車(約20分)徒歩10分。京王線調布駅北口からは、小田急バス「武蔵境駅南口」行または「三鷹駅(西野御塔坂下経由)」行乗車「富士重工前」下車(約20分)徒歩10分。
事前予約は不要。問い合わせは、国際基督教大学平和研究所(電話:0422・33・3187、メール:icupri*icu.ac.jp [*を@に替える]、〒181-8585三鷹市大沢3-10-2)まで。