国際基督教大学元教授(憲法学)でクリスチャンの稲正樹氏を含む6人の憲法学者や言語学者が作るグループ「改憲をめぐる言説を読み解くプロジェクト」は22日、『改憲をめぐる素朴なQ&A』と題するパンフレットを緊急出版した。
「参議院選挙前に、多くの若者・市民の皆様にぜひ改憲問題を考えていただきたいという趣旨で作りました」と稲氏は説明している。「ご高覧くださり、よろしかったらぜひ拡散の程をお願いします」
他の共著者には、五十音順に、聖学院大学の石川裕一郎教授(憲法学)、大阪学院大学の神田靖子元教授(言語学)、武蔵野美術大学の志田陽子教授(憲法学)、琉球大学の名嶋義直教授(言語学)、ベルリン自由大学の野呂香代子講師(言語学)が含まれている。
表紙には、「改憲という空気に流されないために、憲法について考える」とも書かれている。
このパンフレットは、前書きで趣旨を説明した上で、3部構成になっている。第1章は「素朴な疑問」とそれに対する回答、第2章は現行憲法についてよく言われていることや、自民党が改憲の世論をつくるために作成した「漫画政策パンフレット」に書かれていることなどの検証、第3章は「自民党改憲草案」についての解説で、1、2章はQ&Aの形式になっている。「どのような質問が取り上げられているかは、目次を見てください」と、このパンフレットには説明されている。
パンフレットの骨子は以下の通り。
第1章 「憲法改正」議論についての素朴な疑問について
第2章 現行憲法について一般に流布している言説と自民党「漫画政策パンフレット」で説明されていることについての質問集
2.1. 現行憲法の成立過程と改憲について
2.2. 現行憲法の内容について
(1)軍隊について
(2)緊急事態条項について
(3)天皇と愛国心について
(4)国民の権利および義務について
第3章 「自民党改憲草案」についての解説
このパンフレットは、「STOP!違憲の『安保法制』 憲法研究者共同ブログ」にもリンクされており、『改憲をめぐる素朴なQ&A』と書かれている部分をクリックすれば、PDFファイルで無料でダウンロードして見ることができる。
また、このパンフレットは、「改憲をめぐる言説を読み解くプロジェクト」のフェイスブックでも拡散中で、1日2~3個のQ&Aを投稿し、その合間に、改憲に関する新聞報道を見繕って紹介しているという。
さらに、同プロジェクトによると、このQ&Aには印刷したペーパー版もあり、500部増刷したという。ペーパー版を希望する場合は、必要部数と送付先を記入の上、Eメールで神田靖子氏(aurora*mail.zaq.jp[*を@に替える])まで。
神田氏によると、今、印刷が立て込んでおり、個人的に申し込まれると対応が遅れるため、10冊単位程度にまとめて申し込んでほしいとしており(パンフ代金、封筒、郵送料はプロジェクトで負担)、個人的に1部申し込む場合は、「STOP!違憲の『安保法制』憲法研究者共同ブログ」からダウンロードして印刷してほしいとのこと。