現在、国会で審議が行われている安保関連法案についての理解を助けようと、国際基督教大学(ICU)客員教授の稲正樹氏(日本基督教団所沢みくに教会員)、埼玉大学名誉教授の三輪隆氏ら、全国の憲法研究者60人(16日現在)が、「全国出前講師団」を結成した。今月11日に結成されて以来、20日までに既に14件の依頼があり、11件で講師が決定、24日には静岡県富士市で同講師団派遣による最初の勉強会が開かれる。稲氏によると、この講師団は、教会やキリスト教団体が主催する平和集会の講師依頼にも相談に応じるという。
16日に衆議院を通過した安保法案は、三輪氏によると、参議院ではお盆開けに審議が本格化し、9月14日の週には政府与党が衆院で再議決を強行すると見込まれている。一方、衆院での安保法案可決後の内閣支持率の低下について、三輪氏は「その主因は乱暴な国会運営に対する反発にあり、決して法案の危険性に対する理解が広まってのものではないように思われます」と分析。稲氏・三輪氏は「参院での審議が本格化する前の今この時期に、少しでも多くの方にこの法案の真の姿を知っていただき、キリスト者の皆様、地域の皆様と一緒に法案の問題点は何か、なぜ憲法違反なのか、どうすれば廃案にできるかなどを考える集まりを持ちたいと願っております」と話している。
同講師団は、全国の地域ごとに連絡窓口を置いており、講師依頼は開催地域に応じて、各窓口担当者まで連絡すること。各窓口担当者と連絡先は以下の通り(#を@に変える)。
- 東北:河合正雄(弘前大学講師) kawaim#hirosaki-u.ac.jp
- 関東:中川 律(埼玉大学准教授) rnakagawa#mail.saitama-u.ac.jp
- 甲信越:成澤孝人(信州大学教授) narisawa#shinshu-u.ac.jp
- 東海:大河内美紀(名古屋大学教授) om0503#outlook.com
- 関西:奥野恒久(龍谷大学教授) okuno#policy.ryukoku.ac.jp
- 九州・沖縄:大野友也(鹿児島大学准教授) onotomoy#leh.kagoshima-u.ac.jp
- その他:本秀紀(名古屋大学教授) moto#law.nagoya-u.ac.jp
電話相談は、平日午後1時~同6時、休日同2時~同5時。電話は、080・5547・4152(三輪氏)、または080・1052・7714(稲氏)まで。
窓口担当者には、率直な要望を伝えるとともに、以下について決まっていることがあれば、それらも書き添えてほしいという。
- 開催日時、場所、講演時間
- 主催者名、連絡先、催し物名、講演テーマ、講師への注文
- 講師の希望がある場合は講師名
派遣可能な講師が決まれば、窓口担当者から返答があるが、調整に一定の日数がかかる。講師料は応相談だが、最低限、交通費など講師派遣にかかる経費は依頼主側の負担となる。
詳しくは、憲法研究者共同ブログ「STOP!違憲の『安保法制』」で。