上智大学(東京都千代田区)は8月19日、独立行政法人国際協力機構(JICA)と、国際協力事業の質的向上と援助人材の育成を目的とした包括連携協力協定を締結した。市ヶ谷にあるJICA本部で行われた署名式には、早下隆士学長と北岡伸一JICA理事長が出席した。
同大とJICAは、2011年に国際協力事業の質の向上や国際貢献、学術研究、教育の発展といったことに寄与することを目的とした「戦略的協力合意書」を締結しており、今回はそれを踏まえた上での協定となる。国際協力を担う人材の育成などにおいて一層連携を強化するのが狙い。
同協定を受けて同大では、国際協力の現場を教育や研究の場として活用し、国際協力に資する人材育成のさらなる推進を目指していく。一方JICAは、同大の豊富な人材・知見とネットワークを活用して、開発途上国への国際協力の実施により、国際協力事業の質的向上を図る。
具体的には、文理融合型チームによる取り組みが必要とされる環境分野などにおいて、全ての学部が1つのキャンパスに集う同大の学部横断型の学術プロジェク経験・強みを活かし、JICA事業への積極的な参加や協力案件への推進、また、国際協力人材を育成する観点から、その分野でのキャリア形成を志望する学生に対して、青年海外協力隊への参加を一層促進していくといった取り組みを展開していく。
「戦略的協力合意書」の締結からこの9月で5年。これまでも、同合意書に基づき、同大でのJICA研修員の受け入れ、共催による国際シンポジウムの開催、JICAから同大への講師派遣のほか、多くの協力を行ってきた。さらには「国際協力人材育成センター」を設立するなど、国際協力人材の育成や留学生などの受け入れ拡充に向けた組織づくりを積極的に進めてきた。今回の協定は、これまで以上に同大の国際化戦略とJICAの事業戦略の連携を強めることになる。