今夏最高の暑さとなった7日、上智大学(東京都千代田区)の課外活動団体nexnect(ネクスネクト)が主催する「上智浴衣デー2016」が、「楽しいを、彩る」をテーマに同大四谷キャンパスで開催された。キャンパスは、約2千人の浴衣姿の学生や教職員によって華やかに彩られ、学生たちは普段の学生生活とは少し違う特別な一日を楽しんだ。
今回で4回目となる「浴衣デー」は、2013年に同大が100周年を迎えたのを記念して、学生たちが主体となって誕生させたイベントで、同大の夏の風物詩となっている。各国の留学生に七夕など日本の伝統文化を体験してもらうとともに、学生や教職員などが、さまざまな企画を通じて交流することで、大学の活性化を促進することが目的となっている。今年は同大学長の早下隆士氏も浴衣姿で参加し、イベントを一層盛り上げた。
ネクスネクトのスタッフによると、浴衣を着る学生は年々増え、同イベントが着実に定着していると感じると話す。なお、授業は通常通りに行われ、浴衣姿の学生もいつも通り授業を受けていた。実際浴衣で授業に出たという女子大生は、「すごく楽しかった」と浴衣姿で授業を受けている様子を撮ったスマホの画面を差し出してくれた。
今年は新たに「茶道体験」や、同大で履修が可能な22の言語の短冊で彩る「笹飾り」も実施され、浴衣を着るだけでなく、留学生や、普段世界に目を向けている同大の学生が、日本文化を直接体験できる場を設けた。
初めて浴衣を着たという博士後期課程で工学を専攻するタイ人の留学生は、「インターナショナルな雰囲気がとてもいい。日本人のイベントに外国人が一緒になってやっているのが素晴らしい」と感想を語った。
また、「浴衣を着てほしい」という学生の要望に応えて、浴衣姿で参加した早下学長も、「学生が主体となって行うこのイベントは、毎年人気が高く、留学生も喜んで参加できる素晴らしい企画だと思っています」と楽しそうに話し、自らも短冊に、同大への思いと願いを込めた言葉をつづり、笹に結んだ。
「茶道体験」では、同大茶道部が協力し、留学生も参加できるよう英語の説明付きお茶席を設けた。お茶席は全部で3席設けられ、どの回も浴衣姿の学生たちで満席となった。お点前の間、茶道の作法などを茶道部の部員が英語で説明し、その後、心を込めて点てられたお茶と茶菓子を留学生も他の学生も一緒に味わった。
上智大学の茶道部は、季節や目的に応じてお茶会を開き、ソフィア祭はもちろんのこと、学外でも活動している。部員は現在20人で、毎年留学生も2、3人入部するという。また男子部員もおり、この日も浴衣姿の男子学生が丁寧に接待をしていた。茶道部の58代部長の鈴木麻里菜さん(法学部3年)は、「今回のイベントに茶道部として協力できてとてもうれしいです。日本の伝統文化に少しでも触れる機会になってくれればと思います」と語った。