東方正教会のコンスタンディヌーポリ全地総主教庁は16日、全世界正教会会議を19日から26日まで開催するとしている。これを前に、コンスタンディヌーポリ全地総主教バルソロメオス1世は同日、同会議を招集し、議長として会議に参加するために、会議の開催地であるギリシャのクレタ島に到着した。同総主教庁がフェイスブックで伝えた。
一部の正教会が同会議への不参加を表明したり、開催延期を求めたりする中、一部のメディアは、千人を超える正教会の学者たちが12日、この会議が予定通り6月中旬に開催されることを支持する公開書簡を発表した報じている。
セルビア正教会は公式サイトに掲載した15日付の声明で、「まず最初に、この会議の重要性と意義を念頭に置きつつ、私たちの教会は、教会としての建設的な精神で、全世界正教会会議が正教会の歴史における基準を満たし真の会議の措置を行い、その名称の正当性を示すという形で貢献したい」と前向きな姿勢を示した。
しかし、同教会は、「その一方で、私たちはセルビア正教会のみならず、この会議への参加を取りやめた他の最も聖なる教会の諸問題や諸事項も、この会議で考慮するよう要求する」とも述べた。
そして、「万一、全地総主教を頭として会議に出席する正教会が、欠席する正教会はこの会議の働きを真の理由もなしにボイコットしていると主張し続け、疑問や問題および不一致のうちにある全ての諸問題を考慮に入れないならば、この会議に出席するセルビア正教会の代表者たちは、遺憾ながら会議の会合を離れ、既に欠席を表明している正教会に加わることを余儀なくされるであろう」などと述べた。
また、ロシア正教会は13日、公式サイトに、「ロシア正教会は全世界正教会会議の日付を延期する必要性を主張する」と題する記事を掲載。「アンティオキアやジョージア、セルビア、そしてブルガリアの総主教庁が取っている立場を考慮し、また全世界正教会会議を開催するために必要な根拠、すなわち『普遍的に認められた各国の独立正教会の首座主教聖下による同意』(全世界正教会会議の開催および作業手続き、第1章)を考慮に入れて、ロシア正教会の聖シノドはそのような同意が明らかに欠如しているということに特に言及したのである」などと述べた。
ロシア正教会モスクワ総主教庁の渉外局長であるイラリオン府主教は13日に行われた記者会見で、こうした一部の正教会の声は無視すべきではないとした。また、イラリオン氏は全ての正教会がこの会議に参加すべきであるとしつつ、その同意がない以上、同会議を延期することを提案した。
ただ、こうした声を会議に反映する動きをコンスタンディヌーポリ全地総主教庁は表明しておらず、一部の正教会が不参加や延期の要求を表明したまま、会議が開かれる可能性が高まっている。