東方正教会の全地総主教庁は21日から28日まで、スイスのジュネーブ郊外のシャンベジーにある、同総主教庁の正教センターで独立正教会首座主教会合を開き、全世界正教会会議を6月16日から27日までギリシャのクレタ正教アカデミーで開くことなどを記した公式声明を発表した。
「この目的のために、首座主教らは三位一体なる神の恵みを謹んで祈るとともに、全世界正教会会議とその諸会合に至るまでの間、教会全体および聖職者と信徒の祈りを熱心に求める」と、同声明は記している。
「『愛ヲ以テ、眞實(シンジツ)ヲ守リ』(エフェス書4・15、正教会訳)という使徒的精神をもって、一致と理解のうちに開かれたこの会議の間、首座主教らは全世界正教会会議を開催するという自らの決定を確認した」と、この公式声明は述べている。
それによると、全世界正教会会議に付託され、それによって採択されると公式に承認された項目は、「現代世界における正教会の使命」「正教からの離散者、独立とその宣言の仕方」「婚配機密とその障害」「断食の意義と今日におけるその適用」「正教会とキリスト教界のその他の人々との関係」。首座主教らの決定により、承認された文書は全て公表されるという。
「首座主教らは全世界正教会事務局や(全世界正教会)会議の内規、開会および閉会の会合における正教以外のオブザーバーの参加、および同会議に関する予算の費用についても議論し、決定した」と、同声明は説明している。
さらに首座主教らは、中東で迫害されているキリスト教徒たちへの支援と、アンテオケ総主教庁のパウェル・ヤジギとシリア大主教区のグレゴリオス・ヨハンナ・イブラヒムという2人の府主教たちの拉致に対する懸念が今も続いていることを表明した。
同会合には、バルソロメオス1世・コンスタンティヌーポリ総主教、アレクサンドリアのセオドロス総主教、モスクワおよび全ロシアのキリル総主教、セルビアのイリネイ総主教、ルーマニアのダニイル総主教、ブルガリアのネオフィット総主教、ジョージアのイリア総主教、キプロスのフリソストモス総主教、アルバニアのアタナシオス総主教、チェコ人の地とスロバキアのラスティスラフ総主教が出席した。
一方、アンテオケのイオアン10世総主教とワルシャワおよび全ポーランドのサワ総主教は健康上の理由で、またアテネおよび全ギリシャのイエロニモス大主教は個人的な理由で出席できなかった。しかしながら、これら3人は全てそれぞれの教会の正式な代表者が代理を務めた。
全世界正教会会議に関する文書を完成させるために開かれたこの会合では、議長を務めた全地総主教に加えて、アンテオケ総主教庁の代表者を除く正教会の総主教および代表者たちが奉神礼を共に祝った。また、ロシア正教会の公式サイトによると、24日にはシャンベジーにある聖パウエル教会で聖体礼儀が行われた。