20日、エリトリア政府がエリトリア正教会のアントニオス総主教を解任してから10年が経過したことを受け、あらためてアントニオス総主教の解放を呼び掛けた。エリトリアは世界で最も抑圧の激しい国の一つとみなされており、宗教は厳しく統制されている。
政府職員が2006年1月20日、アントニオス総主教に対し、もはやエリトリア最大の教派の指導者ではないことを告げた。既に永眠したメンデフェラ主教のディオスコロス氏が後任となったが、他の正教会から総主教として認められることはなかった。
アントニオス総主教が政治犯の釈放を呼び掛け、反体制派の信者3千人の破門を拒否したことに伴い、政府はアントニオス総主教を解任した。
総主教は、2007年5月以降自宅軟禁となっている。許可された訪問者はごくわずかで、健康状態について懸念が表されている。
英国正教会のセラフィム首座主教は取材に対し、「彼が解放されるのを見たいです」と述べた。そして正教会は断固としてアントニオス氏が総主教だとするが、彼の自由についての論議は停滞しているとも述べた。しかし、セラフィム首座主教は、アントニオス総主教を最近訪問した者がおり、健康状態が良いことが明らかになったと明かした。
イサイアス・アフェウェルキ大統領の体制下において、数千人ものエリトリア国民が投獄された。拷問と強制労働がはびこっている。1300人から2千人が宗教的信念を理由に投獄されている。政府は宗教犯を拷問したり暴行したりしている他、多数の囚人を海上用20フィートコンテナや地下のバラック小屋など、極端な温度の変動がある環境下に置いていることもある。
エリトリアでは、エリトリア正教会、イスラム教スンニ派、ローマ・カトリック教会、エリトリア福音教会の四つの宗教団体しか活動を許可されていない。政府はその活動に対し、厳しい統制を行っている。