キリスト教徒の難民が、ドイツの難民キャンプで「冷酷な嫌がらせ」に直面していると、正教会のある主教が指摘した。
ゲッツェンドルフにある聖ゲオルグ修道院長のダニイル氏は、難民キャンプに滞在しているキリスト教徒たちの境遇について明かした指導者たちの一人だ。
ダニイル氏は、難民問題担当特別相を兼任するペーター・アルトマイヤー官房長官に宛てた手紙の中で、「シリアやエリトリア、また他の国からのクリスチャン難民は、イスラム教徒から屈辱、家への侵入、冷酷な嫌がらせを受けています」と述べた。
「屈辱的な行為によって負傷させられたり、死の危険にさらされたりすることがしばしばあります」
イスラム教から改宗したキリスト教徒は特にそのリスクが高く、暴力を恐れて難民キャンプの外で寝ている者が多いという。
「中東から来たキリスト教徒の多くは、家に帰りたいと願うほどの強烈な嫌がらせに苦しんでいます。というのは、ドイツの難民センターの状況と比べると、まだましに見えるからです」とダニイル氏。
ダニイル氏は政府に対し、難民キャンプで危険にさらされているキリスト教徒やヤジディ教徒などの少数派を守るために、警察の介入を確約するよう呼び掛けた。
「キリスト教徒とイスラム教徒を分けて収容するという、ドイツ国内のキリスト教諸教派の指導者からの提案を受け入れ、それを確実に実行することができるまで、ドイツの難民センターにおいて法的機関による監視を確実にするため、必要な圧力をかけるようお願いいたします」と手紙にはある。
ダニイル氏のコメントは、昨年12月31日にケルンで起きた女性に対する性犯罪の申し立ての数が500件を上回ったことを受けて出された。公的な報告によると、これらの犯罪に関わったとみられる容疑者の「ほとんど」は移民だという。