コプト正教会のアンジェロス主教は、難民や中東のキリスト教徒について語るとき、威厳をもって語る。カイロ生まれの同主教は、中東とアフリカから離散した一人で、今は英国のコプト正教会の総主教である。同主教は難民危機に関する世界教会協議会(WCC)と国際連合(国連)のハイレベル会議で発言した。WCCが公式サイトで25日に伝えた。
「私たちは豊かでない郊外からより豊かな所へと離れていく人々が、より良い生活の質を求めているから、彼らについて語っているのだというわけではない。これらは、自らとその家族のために保護と安全を見つけようと、戦争で引き裂かれ、貧困に打ちひしがれ、そして紛争に満ちた古風な国家を離れていく人々である」とアンゲロス主教は語った。
アンジェロス主教は「これは個別の人や教会・国または組織よりもっと広くてより複雑な問題であり、だから私たちができる、そしてなすべき最低限のことは、協力のために働くことだ」と説明した。
1月18日から19日までのこの会議は、WCCが主催し、国連児童基金(UNICEF)、国連人口基金(UNFPA)、そして国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が共催した。
子どもの頃、アンジェロス氏は自らの家族とオーストラリアへ移住し、子ども時代と若い頃をそこで過ごした。
学問を修めた後、アンジェロス氏は1990年にエジプトへ戻り、エジプト北部の町ワディナトルーンにある聖ビショイ修道院に加わり、そこで後に教皇シェノウダ三世によって修道士とされた。
アンゲロス氏は今、英国にある自らの教会の最高責任者を務め、英国およびアイルランド教会一致(CTBI)の議長として仕えている。
「CTBIで、私たちは、向こう3年間にわたって難民の問題に焦点を当てている」と同主教は語った。
同主教は難民を助ける教会の役割の重要性を強調した。
「私たちは教会としては世界で最大のNGO(非政府組織)だ。もっとも、私たちは単にそれだけにとどまるのではなく、キリストの体であるが」と同主教は述べた。
「私たちの一致を保つのは社会の慣習でも国際的な布告でもない。これは聖書の命ずるところなのであり、私たちは、一つの体に一つの頭を持ち、一つの部分が苦しめば、全ての部分が共に苦しみ、一つの部分がとらわれれば、全ての部分が共にとらわれるという、キリストの体として生きるようにという戒めなのだ」とアンジェロス主教は語った。
同主教は解決策を提案した。「私たちは、世界教会協議会として、中東の地上にあるこれらの諸教会を代表しており、そして過去の年月にわたって多くの人々に語り掛け、そしてアルビール(イラク北部の都市)やギリシャとマケドニアの国境を訪問し、そしてすぐにヨルダンにあるキャンプを訪問することになるが、明らかになったのは、キリスト教徒が登録されていないということだ」とアンジェロス主教は述べた。
「私たちは地上にある自らの教会のネットワークを用いてこの登録のプロセスを助けなければならない」
「地上にあるこれらの教会は、牧会の知識と経験、敬意と誠実さを持っており、地域社会に信頼されている。もし人々が登録されていなければ、彼らは疑いをかけられて不利な立場に置かれ、クリスチャンであろうとなかろうと、自らの宗教のために、そして国際的な計画への平等な参加ができないことで、迫害されるのだ」
同主教は中東におけるクリスチャンの減少について触れた。「かつて中東では人口の25パーセントがクリスチャンだったのが、今ではそれが5パーセントぐらいであり、そして悲劇的なことにその5パーセントのうちの4パーセントがエジプトにいる」
「私たちが教会として、国々として、そして世界共同体として沈黙していることは、これを助長する要因の一つとなってきたのだ。私たちは人間の尊厳が持つしきい値を下げてしまった。つまり、人々が死んでいなければ、それは容認できるものとなってしまったわけだ・・・。しかし、それでもなお、神から与えられた権利と自由が侵害されている人たちを守るのは、私たちにかかっている」と、同主教は述べた。