熊本地震で大きな被害に見舞われた九州学院(熊本市中央区)の阿部英樹院長は、23日付で一般社団法人キリスト教学校教育同盟に寄せたメッセージの中で、「余震がいつ収まるか分からず、復旧と復興に向けた取り組みは緒に就いたばかり」とし、「試練の時に課題は数多くありますが、主によって最善の道が備えられることを信じて、希望をもって歩んでいる」と述べた。
メッセージの冒頭、阿部氏は、「学院が、祈りによって皆様とつながっていることを信じるときに、主イエスを通しての皆さま方との絆を心強く思いますし、皆様の存在がとても身近なものに感じます」と、教育同盟関係者からの祈りと支援に感謝の意を示した。
阿部氏は、建物に甚大な被害を受けつつも、軽度損傷の校舎の復旧工事と安全確認が済み、9日から仮設校舎を使用するなどして通常授業を再開したことを伝えた。
その一方で、1500回以上の余震が続く中、「経験したことのない困難な状況にある生徒、保護者、さらには教職員が多数いる」と述べた。阿部氏によると、50人を超す生徒の家屋が被災して全壊、あるいは住めないほど損壊しており、120人を超す生徒が、震災前の住居で生活することができず、中にはいまだに車中やテントで家族と夜を過ごしている生徒もいるという。
阿部氏は、「今後とも、皆様のお祈りの中に加えて頂けましたら幸いに存じます」と呼び掛けた。
教育同盟は、プロテスタント系の102学校法人によって組織され、共通の問題を研究し、互いの進歩・発展を図る目的で活動している。熊本地震発生直後から熊本地方にある九州学院と九州ルーテル学院のために祈り、救援募金を続けている。