どんな時も丁寧な語り口でひと言ひと言に「温かみがある」。それが水村あつひろ(篤弘)埼玉県議会議員の第一印象だ。「性格は粘り強い、真面目、諦めない、まっすぐという感じでしょうか」と恥ずかしそうに語ってくれた。事実、水村氏を応援する地元からは「誠実」という声が多く聞かれる。
何事も問題のある場所へ実際に出向くという「徹底した現場主義」が水村氏の政治姿勢。問題が解決できたときも、自分を誇らず「本当によかった、よかったですね!」と自分のことのように喜んでくれる、そんな議員だ。
議員になる前の職場では、客からのさまざまな疑問や相談に直接対応する業務に携わった。大学では雄弁会に入って熱心に学び、下積み時代は国会議員事務所のインターンとして経験を積んだ。「何事も無駄にしない」。コツコツと努力し、自分の夢である政治家への道を切り開いていった。
近くにある所沢航空記念公園へ足を運んだ。緑豊かなこの公園には大きな池がある。水鳥がいて、メタセコイヤの木々が周りを囲む美しい風景が広がる。
「埼玉県は、仕事をするにも住むにもいい場所です。自然豊かで、食べ物もおいしい。所沢にも魅力がいっぱいです。見渡せば23区内のような都会の景色が見えたり、一方で緑あふれる山口貯水池、アニメでも有名なトトロの森があったりと、生活に必要な環境がそろっています」
「地元でもっと仕事ができるようになって、さらには自然も楽しめる街づくりをしていきたい。そうすれば余暇をもっと楽しめるし、家族と自分のためにもより良い暮らしができるのではないでしょうか」。地元で生まれ育ち、地域を愛する水村氏だからこそ思い描けるビジョンがある。
これまでにブラック企業対策、県内への企業誘致、雇用対策についても積極的に取り組んできた。まだ具体的ではないが、ニュースなどで話題となっている大江戸線の県内延伸に向けた働きにも精力的に関わっている。
ホームページを見ると、「山あり、谷あり、水村あり!」というフレーズが目を引く。「社会の中で苦労をしている人々の力になりたい」。さまざまな経験を積んできたからこそ、伝えられること、実行できることがある。
時に、人生のレールから外れそうになったこともあった。「決して夢を諦めないでほしい。何度もチャンスがある。だから頑張ってほしい」と力を込めた。
趣味は読書。少林寺拳法の経験者で、スポーツマンでもある。「好きな食べ物は麺類です。ラーメンや蕎麦(そば)も大好きですが、特に所沢のうどんは本当においしいですよ」
昨年は、地元の教会やキリスト教系団体が主催する「所沢市民クリスマス」にも参加した。「地域の方々が皆さんで取り組んでいて、とても良い働きだと思います。初めて参加しましたが、ぜひ今年もまた参加したいです」
「最後にこれだけはどうしてもお伝えしたい」と水村氏。2011年まで14年連続で3万人を超えた自殺者の問題だ。「ただただ悔しいです。誰にも相談できない人がいるわけですから。失業者対策も何とかしたい。障がい者の方への支援もそうです。多数派の人を底上げするのではなく、これからは国民全員という視点が大事なのではないでしょうか」と強調した。
「多数派の意見がどうしても代弁されがちです。もちろん、やむを得ない部分でもあるが、何より困難な立場にある方、少数派の人の声をもっと聞かないといけない。他人事ではなく、助け合って社会を良くしていきたいのです」