愛知県警は7日、虚偽の不動産登記をしたとして、指定暴力団「山口組」の直系暴力団である「司興業」(名古屋市)の森健次組長(66)=名古屋市=と、無職・池側一嘉容疑者(22)=堺市=ら3人を、電磁的公正証書原本不実記録・同供用容疑で逮捕した。森容疑者は黙秘しているが、池側容疑者は容疑を否認、もう1人は容疑を認めているという。時事通信などが伝えた。
同通信や朝日新聞によると、森容疑者が組長を務める「司興業」は、山口組の司忍(本名・篠田建市)組長(74)が結成した暴力団で、これまで山口組系「弘道会」傘下の組織だったが、昨年6月に山口組直系の暴力団に昇格していたという。
森容疑者は、山口組直系組長への昇格に伴い、神戸市にある山口組総本部を訪れる機会が増えたため、関西地方に家を購入したとみられている。家は堺市中区にある2階建てのもので、これまでに森容疑者や組員が出入りしているのが確認されているという。
逮捕容疑は、実際には森容疑者が家と土地を所有者から直接購入していたのにもかかわらず、池側容疑者が購入し、森容疑者に売却したとして、虚偽の所有権移転登記を2回行ったというもの。産経新聞によると、逮捕されたのは、森、池側両容疑者と無職の男(53)の3人。53歳の男がどのように事件に関わったかは、これまでのところいずれのメディアも伝えていない。
朝日新聞によると、森容疑者は山口組に現在56人いるという「直参(じきさん)」と呼ばれる山口組直系組長で、直参は定期的に総本部に詰める当番があるため、総本部近くに拠点を持っているという。