津田塾大学(東京都小平市)は1日、新学長に就任した高橋裕子氏の就任あいさつを同大のホームページで公開した。この中で高橋氏は、同大の強みを生かしつつ、社会に新しい流れを創り出せるようなリーダーシップとバイタリティーを備えた女性を育成していきたいと抱負を述べた。
高橋氏は冒頭、「1世紀を超える歴史の中で、一人一人の学生を『熱心』に教え育んできたことが津田塾大学の誇り」と述べ、同大の創立者、津田梅子の「オールラウンドな女性」を育成するという建学の精神に根差し、教職員が個々の学生と真摯(しんし)に向き合い、生涯にわたって社会に貢献できる女性を養成してきたことを伝えた。
激動する国内外の状況に触れ、その中では女性の力がますます必要になってくると指摘し、「現代社会が直面する諸課題の解決や、新しい社会システムの構想に取り組む能力を持つ指導的地位の女性を輩出していくことは、喫緊の要請」と述べた。
こうした社会の要請に応えるため、より良い社会の仕組みを創りだすことのできるリーダーシップと、バイタリティーを備えた女性のさらなる育成を目指していくとし、その一環として2017年度には、女子大学としては初となる「総合政策学部」を新設することをあらためて紹介した。
同大の卒業生でもある高橋氏は、「私自身がそう感じたように、学生が卒業後も誇りを持って『津田塾大学で学んでよかった』と、生涯にわたって思い続けられるようなインパクトを与えられるようにと考えています」とし、「大学で学んだアカデミックな基礎力や課題解決力が、生きていくための力となり、新しい道を切り開く糧になると信じる」と述べた。
最後に高橋氏は、明治期に日本社会が抱える課題の解決を目指して、同大が女性の社会参画を推進しようと果敢に挑戦した津田梅子を模範にし、さまざまな分野の女性パイオニアの「長い列」を創り出してきたとし、「その列がこれからも続くように、英語で言うならば、“Make a Difference”―つまり、リーダーシップを発揮して社会に新しい流れを創り出せるようなバイタリティー溢れる女性を輩出し続けたいと強く願っています」と結んだ。