津田塾大学(渋谷区千駄ヶ谷)は来年4月、千駄ヶ谷キャンパスに、女子大としては初めてとなる「総合政策学部(仮称)」を新設する。11日、新学部のチラシと創設準備室のホームページが同大のサイト上で公開された。
1900年に「女子英学塾」として誕生して以来、同大では、幅広いリベラルアーツ教育と高度な英語教育を基軸に、社会に貢献する女性を1世紀以上にわたって送り出してきた。今後、これまでに経験したことのないさまざまな課題に直面することを鑑み、より柔軟な思考を持った強いリーダーシップを備えた女性の力が必要とされることから、新しい学部が設置されることとなった。
新学部では、社会科学や情報科学の分野における基礎科目を効果的に配備することで、学生たちが問題解決の力を身に付けられるようにするという。特に、さまざまなデータや統計を分析し、活用する力を着実に身に付けるための科目群を設置していく。現在準備されているのは、グローバリゼーション論、市民社会における安全、文化の発信と受容、ソーシャルベンチャー論、リーダーシップと多様性、環境経済マネジメント、データ政策科学、情報通信政策、スマートコミュニティ論、ソーシャル・インクルージョン論、ダイバーシティ社会論、国際化と少子化の中の労働などだ。
また、従来の座学中心の大学教育から脱し、PBL(Project-based Learning:課題解決型学習)の手法を活用することで、自立的に判断する力や粘り強く考える力を持つ人材を育成する。また、グローバル化に十分対応できるよう、課題解決のための基礎的な知識を英語で習得し、英語で課題解決に取り組む能力を養っていく。さらに、課題解決を実行に移すのに必要な行動力や協調性を高めるため、セミナー、演習、ワークショップなどで丹念な少人数教育を行う。
学びを通じて獲得できる力として、社会の諸相を的確に把握する認識力、社会の課題を適切に抽出できるデータ分析力、英語を用いた高度のコミュニケーション能力、独自の構想を現実に移すための行動力とリーダーシップを挙げている。
創設準備室の萱野稔人室長は、「新学部では、公共セクターであれ民間セクターであれ、あるいは個々の地域であれ国際的な場であれ、現代の社会が直面する諸課題を解決することを通じて社会に貢献できる女性を育成することを目指します」とコメントしている。