1965年に短期大学から4年制大学に改組してから今年で50周年を迎える白百合女子大学(東京都調布市)は、来年4月から新たに人間総合学部を開設し、これまでの文学部のみの単科大学から、2学部による新体制で新たなスタートを切る。
新しく開設する人間総合学部は、「児童文化学科」「発達心理学科」「初等教育学科」の3つの学科からなり、これにより、これまでの1学部4学科2専攻から、2学部6学科へと変わる。それぞれの学科で、幼稚園教諭一種、小学校教諭一種、司書などの資格を取得することが可能だ。
同大は、日本で初めて児童文化を専攻分野として取り入れた大学で、1992年には児童文化研究センターも設立され、日本の児童文学研究における拠点としても知られている。これまでの児童文学・文化専攻から新しくなる児童文化学科も、児童文学と文化について、「研究」と「創作」の2つの観点から専門的に学べる日本で数少ない学科の一つとなる。
同大の設立母体は、17世紀末のフランスを発祥とするシャルトル聖パウロ修道女会。戦前より校名の変更を繰り返し、終戦直後「白百合女子専門学校」として国文科を設置し、その後すぐに英文科を増設した。1950年の学制改革に伴い、東京都千代田区九段に白百合短期大学として開学した後、4年制大学となり現在の場所に移り今に至っている。
文学部の仏文学科も伝統があり、「フランス語なら白百合」というほどフランス語教育には自信を持っている。また、1990年には大学院(男女共学)も設置し、修士課程の発達臨床心理学コースは、日本臨床心理士資格認定協会の第1種指定大学院の指定も受けている。2005年からは、幼稚園教諭・小学校教諭の育成も始まり、社会人を対象とした教員養成講座も開講している。