プール学院大学(大阪府堺市)が、同大教育学部を桃山学院大学(同和泉市)に継承する検討を始めた。プール学院大は既に、国際文化学部、大学院の2016年度4月以降の入学生募集停止を決定している。
プール学院大には、教育学部(教育学科)、国際文化学部(教養学科、子ども教育学科=14年から教育学部教育学科)、短期大学部(秘書科、幼児教育保育学科)、大学院(国際文化学研究科)がある。今年4月、教育学部への発展的統合を図るとして、教養学科の16年4月以降の入学生募集停止を発表。5月には、同学科の3年次編入学、大学院についても16年4月以降の入学生募集停止を決定している。教育学部は、子ども教育学科を前身として、2014年度に開設された。
今回の教育学部継承について、毎日新聞と朝日新聞は6日と7日、プール学院大が学生・保護者に向けた説明会を開いたとして、「説明が不十分」「なぜ大学を移らないといけないのか納得できない」などと、学生の反応を報じた。
これを受けて、桃山学院大は7日、「新聞社の独自取材によるもので、現段階で確定した事項はなく、不正確な内容が含まれております。このような報道がなされたことについて大変遺憾であると共に、両新聞社には事実を正確に伝えるよう申し入れます」と表明。プール学院大も10日、「新聞社の独自取材によるもので、適切でなく誤解が生じる内容が多く含まれておりました。このような報道がなされたことについては大変残念でございます」と表明した。両大とも、「双方の法人と大学で協議を始めた段階であり、具体的な検討はこれから」と、現段階では具体的な内容が決まっていないことを強調した。
プール学院大と桃山学院大は、ともに英国国教会(聖公会)から派遣された宣教師の活動をルーツに持つ。プール学院大は1879年、英国国教会から派遣されたミス・オクスラドにより、 キリスト教の信仰と使命をもって設立された最も古いキリスト教学校の一つだ。 当時は「永生女学校」と呼ばれ、女子教育に大きな貢献をしてきた。84年に開設された三一小学校と三一神学校に始まる桃山学院大とは、日頃から協力関係を築いている。