長野県の八ケ岳連峰・阿弥陀岳(2805メートル)で15日午後、雪崩が発生し、山岳ガイドの男性1人と登山者の女性2人が巻き込まれた。既に積もった雪の上に新たに積もった雪が滑り落ちる「表層雪崩」の可能性があり、3人は約300メートル流され、このうちパート従業員の酒井泰子さん(61)=兵庫県宝塚市=が死亡した。共同通信などが伝えた。
同通信によると、雪崩は阿弥陀岳の南陵の標高約2500メートル付近で午後1時20分ごろに発生した。山岳ガイドの成田賢二さん(34)が110番通報し、約1時間半後にヘリコプターで救助された。酒井さんと一緒に登山をしていた無職の梅村陽子さん(69)=東京都荒川区=はあばら骨を折るなどの重傷。成田さんは軽傷とみられるという。
中日新聞によると、酒井さんと梅村さんは成田さんのガイドでこの日、日帰りの予定で長野県原村の登山口から入山し、阿弥陀岳の頂上を目指していたという。
政府広報オンラインによると、表層雪崩の速度は時速100〜200キロと新幹線並み。古い雪と新しい雪が共に滑り落ちる「全層雪崩」の時速40〜80キロに比べて非常に速く、雪崩が到達する範囲も広いという。