ヒマラヤ山脈にある世界最高峰エベレスト(8848メートル)の登頂に、故植村直己さんと共に日本人として初めて成功した登山家の松浦輝夫さんが6日、白血病のため死去した。81歳だった。葬儀は9日、大阪市内の葬儀場で行われる。国内各紙が伝えた。
松浦さんは、日本山岳会のエベレスト登山隊に東南稜ルートのリーダーとして参加し、1970年5月11日、植村さんと共に日本人初のエベレスト登頂に成功した。81年には、早稲田大学のK2登山隊に隊長として参加し、2隊員に世界第2の高峰K2(8611メートル)の西稜ルートからの初登頂を成功させた。
1934年大阪市生まれ。1957年早稲田大学教育学部卒業。1965年には、ヒマラヤ山脈のローツェ・シャール峰(8383メートル)を目指した早稲田大学隊に参加し、当時の日本人最高到達高度を記録したものの、遭難者を出したため登頂を断念した。K2隊隊長を務めた後は、本格的な登山からは身を退いていた。秩父宮記念賞、朝日体育賞(現朝日スポーツ賞)、ビッグスポーツ賞、日本スポーツ賞など受賞。
なお、世界で初めてエベレストの登頂に成功したのは、英探検隊のメンバーでニュージーランド出身の登山家である故エドモンド・ヒラリーと、チベット出身のシェルパである故テンジン・ノルゲイ。1953年5月29日に、人類初のエベレスト登頂を達成した。