食品事業やデジタルメディア・マーケティング事業を行う「グローバルアジアホールディングス」(東京都中央区)の元社長・菊地博紀容疑者(55)と実質経営者の菊池徹容疑者(56)の2人が8日、決算を粉飾したとして、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で逮捕された。時事通信や共同通信などが伝えた。
両通信によると、菊地両容疑者らは、2014年3月期の連結決算で、実際には債務超過だったが、前払い費用などの支払い名目で計約4億5500万円を資産として計上する虚偽の有価証券報告書を提出した疑いが持たれている。2人とも容疑を否認している。
グローバルアジアホールディングスは当時、ジャスダックに上場しており、2年連続で債務超過になった場合、上場廃止になることから、決算を粉飾したとみられている。昨年3月に証券取引等監視委員会が関係先を強制調査しており、警察も捜索していたという。グローバルアジアホールディングスは昨年9月、内部管理体制などに問題があるとして上場廃止になった。
一方、時事通信やNHKによると、警察は、暴力団関係者が関与していた可能性もあるとみて捜査しているという。
菊地博紀容疑者は逮捕前、NHKの取材に応じており、債務超過に陥っていたとする指摘について、「資金は口座から引き出して現金で保管していた」などと説明していたという。
グローバルアジアホールディングスは、漁網糸・縫糸の製造販売業として戦前に創業した「豊国糸業」が前身。豊国糸業は、その後さまざまな事業を手掛け、豊国産業、アイビーダイワ、プリンシバル・コーポレーションと改名し、2014年に社名を現在のグローバルアジアホールディングスに改名した。菊地博紀容疑者は、プリンシバル・コーポレーション時代に社長を務めていた。
グローバルアジアホールディングスのホームページによると、現在は食品事業やデジタルメディア・マーケティング事業、環境事業を主要事業としている。