かえつ有明中学・高校(東京都江東区)と嘉悦大学(同小平市)を運営する学校法人「嘉悦学園」(江東区)の創業者一族に対する不正支出疑惑で、産経新聞は7日、関係者などへの取材により、不正支出の額が昨年までの過去5年間で約1億円に上ることが分かったと伝えた。
嘉悦学園の不正支出疑惑をめぐっては、昨年12月、勤務実態がほとんどなかった嘉悦克(こく)前理事長の母と妻に、3年半の間に給料計約4000万円が支払われ、嘉悦前理事長に対しても支出根拠が不明な「繁忙手当」の名目で約1600万円が支払われていた疑いがあると伝えられていた。
同紙によると、その後の第三者委員会の調査により、嘉悦前理事長への不正支出は総額4500万円に上り、嘉悦前理事長の母と妻に対する不正支出は総額約5200万円、当時の常務理事だった長男に対する不正支出は総額約110万円と、計1億円近くに上ることが明らかになったという。同紙によると、嘉悦学園は近く記者会見を開く見通しで、嘉悦前理事長らに対しては返還を求めるという。