西武学園文理小学校(埼玉県狭山市)など複数の学校を運営する学校法人文理佐藤学園(同県所沢市)の佐藤仁美学園長(44)が、海外出張費などを私的に流用していた問題で、不正が判明した9月には約1500万円の流用が明らかになっていたが、その後の調査で流用額はさらに膨らみ、5千万円以上に上ることが25日までに分かった。毎日新聞などが伝えた。
同紙によると、佐藤氏は既に9月、西武学園文理小学校の校長と文理佐藤学園の学園長を懲戒解雇されていたことも分かったという。現在は体調不良で入院しているという。文理佐藤学園は佐藤氏に流用分の返納などを求めており、返納の有無や詳細は26日に記者会見を開き説明するとしている。
9月の発表時には、佐藤氏は昨年11月、西武学園文理小学校の約1週間の米国修学旅行に合流するなどして、計約1カ月にわたり米国に滞在。ディズニーワールドやラスベガスのカジノ、サンフランシスコのヨセミテ国立公園などを訪れるなどしていた。また、今年2月には研修先開拓の名目で、約600万円をかけてミュージカル鑑賞などしていたとされている。
文理佐藤学園は、佐藤氏の両親である佐藤英樹・富美子夫妻が、1966年に西武栄養料理学院を創立したのが始まり。現在は、西武学園文理小学校、西武学園文理中学・高等学校、西武文理大学、西武学園医学技術専門学校、西武文理大学附属調理師専門学校を運営している。
文理佐藤学園の理事長である英樹氏は、2009年に学園長の座を長女の仁美氏に譲っていた。9月に仁美氏の不正を発表した際にはお詫び文で、「この問題を厳粛に受け止め、改めて法令及び学内諸規程に基づく規律のある学園経営の徹底を図ると共に、学園改革委員会を立ち上げ、旧態にとらわれない新しい学園を作り上げることで皆様の信頼の回復に努めてまいる所存であります」などとしていた。