日本人最初の救世軍士官として日本救世軍の創設発展に尽力し、終生にわたり社会福祉事業に身をささげた山室軍平の生涯を描いた映画「母の願い~地の塩「山室軍平」」(監督:東條政利)が今秋の公開を予定している。その宣伝も兼ねて、山室軍平と関係の深い石井十次の生涯を描いた映画「石井のおとうさんありがとう」の上映会(「山室軍平の映画を支援する会」協賛)が、救世軍大阪セントラルホール(大阪府大阪市)と救世軍山室軍平記念ホール(東京都千代田区)の2カ所で行われる。入場無料。
この映画は、日本にまだ福祉という言葉がなかった時代に、飢えと寒さにさまよう子どもたちのために日本初の孤児院を創設し、後に「児童福祉の父」とたたえられた石井十次(1865~1914年)の生涯を描いた作品。2005年度の児童福祉文化賞および第14回日本映画批評家大賞主演男優賞(主演・松平健)を受賞している。
映画には、石井十次が孤児たちの自立のために小・中学校を作り、教育の徹底を図っただけでなく、その中にいた少数の病弱児や知的障がい児の自立のためにも教育を行った姿が描かれている。監督の山田火砂子氏は、「石井先生は、『親のない孤児はかわいそう、もっとかわいそうなのは精神的孤児』だと常に言っていたそうです。その精神的孤児があふれている今日、この映画にご共感いただければこの上ない幸せです」と話す。
両作品の配給元である現代ぷろだくしょんは他にも、石井亮一と筆子夫妻を描いた映画「筆子・その愛―天使のピアノ―」、家庭の温かさを知らない子どもたちのために家庭学校を作った留岡幸助の映画「大地の詩―留岡幸助物語―」を製作し、愛と奉仕で「地の塩」として生きてきた日本の福祉家たちの生涯を描き続けている。
大阪会場
日時:2月28日(日)午後2時半
場所:救世軍大阪セントラルホール(大阪府大阪市北区天神橋3‐6‐20、地下鉄『扇町』駅から徒歩5分)
入場無料
東京会場
日時:3月13日(日)午後3時/午後6時
場所:救世軍山室軍平記念ホール(東京都千代田区神田神保町2‐17、地下鉄『神保町』駅A6出口徒歩1分)
入場無料
■ 本紙関連記事:2015年12月31日付「日本の社会福祉の先駆者、山室軍平の生涯が映画化 2016年秋公開予定」