1月にイランの刑務所から解放された米国人、サイード・アベディニ牧師は、解放後初のインタビューで、拘束中に遭った拷問と絶えざる祈りについて口を開いた。
アベディニ氏はFOXニュースのグレタ・バン・サスターン氏に対し、3年間以上にわたる拘束の間、尋問者が実際には犯していない罪の供述調書にサインさせようとしたが、毎回それを拒否したと語った。
アベディニ氏は「尋問の中で、彼らが非常に強く私を殴ったことがあります」と話し、その暴行によって胃の出血を起こしたことを語った。また死ぬまで暴行すると脅されたこと、そして解放後ですら、密に監視すると言われたことも明かした。
イランとの囚人交換によって解放され、米国へ帰国した後、アベディニ氏は、ノースカロライナ州にあるビリー・グラハム・トレーニング・センターで静養しつつ家族と面会している。
アベディニ氏を解放するよう国際的なキャンペーンが行われ、人権監視団体やバラク・オバマ大統領など各国の指導者たちが解放を呼び掛けていた。
アベディニ氏はまた、自身のキリスト教信仰の故に収監されたと語った。だがイラン政府は、アベディニ氏が「キリスト教によって政府を倒そうとした」ことで刑罰を受けたと主張し続けている。
収監中に最も困難だったのは、時間をつぶすものがなかったことで、看守は本すら与えなかったという。アベディニ氏は、「毎日何時間も何時間も、時には20時間以上、ただ祈りました。そこでできた最善のことは祈ることだったのです」と述べた。
助かったのは、元米国海兵隊員のアミール・ヘクマティ氏と同じ監房に移されたことだったと明かした。
「彼らが私をほかの独房に送ったとき、元海兵隊員のアミール・ヘクマティさんがそこにいたのです。彼らは私に目隠しし、アミールさんの独房に連れていきました。そしておそらく約60日間、アミールさんと共にいました。目隠しを解いて初めてアミールさんを見たとき、私たちの海兵隊員がされたことを見て、私はとても心が痛みました」とアベディニ氏は話した。ヘクマティ氏はとても痩せ、衰弱していたという。
アベディニ氏の解放に向けて公に語っていた指導者の一人、ビリー・グラハム伝道協会(BGEA)会長兼CEOのフランクリン・グラハム牧師は声明で、「イランでキリスト教信仰の故に投獄されてからサイード(・アベディニ氏)が耐えてきたことを、理解し察すること」ができる人は米国に誰もいないと語った。
グラハム氏はアベディニ氏のビリー・グラハム・トレーニング・センターでの静養について、「私たちは彼に、休息し家族を訪問できる静かな場所を提供したいのです」と述べた。