教皇フランシスコは21日、教皇庁列聖省長官アンジェロ・アマート枢機卿と会見し、同省から提出されていた11件の文書に承認のサインをした。その中の1件は400年前の日本のキリシタン大名ユスト高山右近の殉教を承認するもので、バチカン放送局は22日、「これで日本カトリック教会の長年の悲願であったキリシタン大名、高山右近の列福に決定的な一歩が記された」と報じた。
「ユスト高山右近(1552~1615年)は、織田信長・豊臣秀吉に仕えた代表的な戦国大名として広く知られている。激動する時代の波に翻弄され続けたかに見えるその生涯、しかし、右近自身は、確固とした信仰者へと成長し、それを生き抜いた人であった。右近は、織田信長や豊臣秀吉に仕えたキリシタン大名で、キリスト教を禁教とした江戸幕府から国外追放され、フィリピン・マニラで病死した」と、同放送局は説明した。「秀吉からの棄教命令を拒否して大名としての地位や領地を失い、徳川家康によるキリシタン国外追放令により母国を追われたが、信仰を捨てなかった確固とした信仰の人であった」
同放送局によると、12歳で洗礼を受けた右近は、生涯を通じてキリスト教に強く帰依していた武将として知られる。高槻城主時代の領民のうち約7割がキリスト教徒だったとされるほか、秀吉の側近、黒田官兵衛(孝高)などに入信を勧めるなど、布教活動にも熱心だったという。「高山右近は、福音を日本に根付かせたいとの大きな夢に生涯をかけた。400年の時を越え、右近の熱い思いは、今を生きる日本のカトリック教会の行く手を示し、勇気を与え続けている」と、同放送局は報じた。
同放送局によると、ユスト高山右近の列福式の日時や場所はこれから決定されるという。