長崎県対馬市議会の入江有紀議員(72)が、昨年10月に視察で熊本県を訪れた際、同僚の大部(だいぶ)初幸議員(66)から、胸を触られたり、下着を脱がされれそうになったりするセクハラを受けたとして、強制わいせつ罪で警察に告訴状を提出した。日本テレビが6日、伝えた。
日本テレビによると、入江議員は「腕を引っ張って大部議員の方に引き寄せられ、上から乗られた。『代表しておっぱいを触るんだ』と(言われた)」などと話しており、大部議員には辞職も求める姿勢を示している。一方、大部議員は日本テレビの取材に応じ、セクハラを否定し、「胸を触ったとか言うけど、絶対ないから。刑事告訴されているから戦っていく」と裁判で争っていく考えを示した。警察は近く、入江議員からの告訴状を受理する方針だという。
西日本新聞や朝日新聞が昨年12月末に伝えたところによると、入江議員と大部議員の2人を含む対馬市議会厚生常任委員会の委員6人が昨年10月26日、熊本県菊池市を視察。この日、宿泊先のホテルで夕食を済ませた後、午後10時ごろにホテルの和室に集まり、宴会を行った。その際、大部議員が入江議員に数回にわたって抱き付き、畳に押し倒すなどしたという。
宴会中、室内には2人以外に別の議員3人がおり、止めに入ったという。一方、この昨年の報道時も大部議員は、「押し倒したり下着に手を入れたりはしていない」(朝日新聞)とセクハラを全面的に否定し、酒に酔って倒れただけだなどと話していた。一方、入江議員は、過去には言葉によるセクハラを何度も受けていたと話していた。
対馬市議会のホームページによると、入江議員と大部議員はともに無所属。入江議員の所属会派は、入江議員1人のみの「すみれ会」で、大部議員は自身を含め7人が所属する会派「新政会」の代表を務めている。対馬市議会では2人とも厚生常任委員会の委員で、入江議員は他に国境離島活性化対策特別委員会と議会改革特別委員会で、大部議員は議会運営委員会と議会改革特別委員会で委員を務めている。
対馬市議会の議員は全21人で、入江議員は現在、唯一の女性議員。