名古屋高裁は24日、車のリース代や事務所の家賃は、政務調査費の支給対象には該当しないとして、愛知県議会の自民党、民主党、公明党の3の各県議団に対し、政務調査費として支給した該当項目の全額計約8100万円を返還するよう、大村秀章・愛知県知事に求める判決を下した。中日新聞などが伝えた。
これは名古屋市民オンブズマンが起こした訴訟で、2009年度の3党の各県議団に交付された政務調査費のうち、県議82人の事務所の家賃や光熱費、車のリース代として使われた全額計約8100万円について争われた。名古屋地裁による昨年1月の一審判決では、一部の約2800万円分を違法と認定し返還を求めていたが、双方が控訴していた。
同紙によると、藤山雅行裁判長は「法律が認める事務費ではない。特別の事情が存在したと立証できない限り、政調費としての交付は認められない」と指摘し、全額の返還を命じた。日本テレビによると、大村知事は「誠に残念。議会の意向も踏まえ対応を検討する」と話している。
政務調査費は、地方自治法に基づいて、政策の調査や研究のために議員報酬とは別に支給される費用で、2012年の同法改正で「政務活動費」に改名された。この改正で、範囲も従来の「調査研究」に「その他の活動」が加えられたが、政務活動費の交付対象や、額、交付の方法、交付できる経費の範囲については、各議会が条例で定めるものとしている。用途の不透明さが問題化し、「第2の報酬」などと批判されることもある。