過激派組織「イスラム国」を名乗る覆面の男が現地時間14日午前7時10分(日本時間午後3時10分)ごろ、フランスの首都パリ郊外のオーベルビリエにある幼稚園を襲い、準備をしていた男性教諭(45)を刃物で切り付けた。教諭は首などにけがを負い病院に運ばれたが、命に別条はないという。男は現場から逃走し、警察が行方を追っている。英BBCなどが伝えた。
BBCによると、男は「『イスラム国』だ。警告する」などと叫びながら、オーベルビリエにある3〜6歳を対象としたジーン・ペリン幼稚園に押し入った。覆面姿だったが武装してはおらず、幼稚園にあったカッターとハサミで、教諭の脇腹や首を切り付けたという。
男が襲った当時、幼稚園に子どもはいなかったが、他の職員が建物内にいたという。襲われた教諭は現在病院で治療を受けており、警察は回復を見て事情を聴く方針。パリ検察の反テロ部署は、テロとみて捜査を始めた。
AFP通信によると、「イスラム国」はフランス語の機関紙『ダ・アル・イスラム』で最近、世俗主義を教える「アラー(イスラム教の神)の敵」だとして、フランスで教師らを殺害するよう呼び掛けていたという。
事件があったオーベルビリエはパリ北部に位置する人口約7万6千人の都市で、北アフリカ北西部からの移民が多く住んでいるという。